昭和西川、「エシカルウエア」にヘンプ素材 抗菌性や通気性に優れたアイテム
昭和西川は来春、オーガニックコットンや再生繊維など、地球にやさしい素材を使用した「エシカルウエア」で、ヘンプ(大麻)素材を用いた商品を発売する。ヘンプは成長が早いため農薬が要らないなど環境にやさしく、寝具としても抗菌性、通気性、吸湿性など優れた特性を持つ。エシカルウエアは今春のスタート以降素材やアイテムを拡充し、近年高まる「エシカル消費」へ幅広く対応する。
ヘンプは農薬が不要という以外にも、不良土でも育ち、収穫後は土壌が改善されるという特徴があり、痩せた土地の有効活用になる。ほぼ全ての気候で栽培可能であり、毎年一定量が収穫できるという持続可能性の高さも持つ。
ヘンプを使用した商品は、掛け布団カバー(2万円)、ピローケース(4500円)、ボックスシーツ(1万5000円)、ガーゼケット(1万2000円)、肌掛け布団(3万2000円)、パッドシーツ(1万5000円)を用意する。素材は基本的によこ糸が植物繊維(ヘンプ)100%、たて糸がオーガニックコットン100%。肌掛け布団の側地とパッドシーツの表地も同生地で、詰めものには麻100%のわたを使用する。吸湿性が良く、薄手のため洗濯しやすい。全てネイビーとベージュの2色を展開する。
来春には加えて、再生繊維の「キュプラ」を用いた商品も発売する。綿糸に使用されない、綿の種(コットンシード)に付いた産毛部分の「コットンリンター」を100%原料とし、環境に配慮した技術で生産する。天然由来の原料のため、廃棄後は自然に還る。湿気をコントロールする機能に優れ、夏のムレやべたつきを抑える。商品は、リバーシブル ワッフルガーゼケット(1万円)の1種類で、素材は綿52%・キュプラ48%。
エシカルウエアは今年3月にスタート。「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する意識が世界的に高まっている中で、世界の問題に対して「誰でも始められる」取り組みとして始めた。「地球によいこと。暮らしに良いこと。」をキーワードに、地球環境にやさしく、生産者の負担も軽減できるようなアイテムを揃える。
20年春夏はオーガニックコットンの商品をメインに展開。オーガニック栽培は環境を保全するだけでなく、健康被害・貧困・労働環境といった生産者の負担も減らせる。秋冬はリサイクルペットボトルを使用した再生ポリエステルや、廃棄衣料や生地残を再利用した再生ウールなど、アップサイクル素材にフォーカスした。