松屋、自社運営の冷凍食品売場 名店の味揃える
松屋銀座本店は8月31日、地下2階の生鮮食品ゾーンに冷凍食品売場「GINZA FROZEN GOURMET(ギンザフローズングルメ)」をオープンした。売場面積は約33平米で、約55ブランド350品目を用意。老舗の名店やミシュランガイド掲載店の商品も多く、“松屋銀座”らしい高品質な品揃えにこだわった。売上げは22年度下期(9月~23年2月)で5000万円を目指す。
昨今の家庭用冷凍食品の需要の伸長から、同売場の新設を決めたという。コロナ禍によって外出の自粛が続き、テイクアウトやデリバリー、惣菜と並んで冷凍食品への関心が高まっている。日本冷凍食品協会によると、2021年の家庭用冷凍食品の出荷額、生産数量は調査以来過去最高を記録。また、国内生産数量が業務用を初めて上回った。近年は冷凍技術が発展し、クオリティの高い冷凍食品が増えているのも追い風となった。
売場のコンセプトは「おいしさと笑顔の引き出し」。銀座の名店や人気のレストラン・パティスリーと交渉して冷凍食品の開発を依頼し、充実したラインナップを実現した。パッケージデザインはグループ傘下のシービーケーが手掛け、衛生表示のコンサルティングや各種検査などはエムジー食品試験センターが担当した。
ブランドは約55で、カテゴリーは和洋中惣菜、パン、ピザ類、麺、米飯、ミールキットなど多岐に亘る。価格は354円~1万1880円。「玉ひで」、「バビーズ」、「シンガポールシーフードリパブリック」など同店で先行販売するブランドや、「ON THE DISH」、「亀戸升本」、「ピザラボ」、「ルヴォワール」などリアル店舗に初めて登場するブランドもある。
中でも“松屋銀座”ならではのラインナップが、銀座のレストラン4店による「銀ぶらグルメ」だ。コロナ禍をきっかけに、洋食店「銀座 日東コーナー 1948」の竹田大作さんが同店の冷凍販売を企画し、冷凍ルームを設置。銀座の他の飲食店にも冷凍ルームを使って冷凍食品を販売しないか声を掛けていたタイミングで、松屋銀座本店の担当者がギンザフローズングルメでの販売を依頼した。結果、すき焼き割烹「銀座 吉澤」、洋食店「銀座 みかわや」、洋菓子店「銀座 ピエスモンテ」との4店による銀ぶらグルメが実現した。
銀座 日東コーナー 1948は「ロールキャベツ トマトソース」(1580円)、銀座 吉澤は「松阪牛シルクハンバーグステーキ」(1383円)、銀座 みかわやは「舌平目かに肉包揚げ」(3456円)、銀座ピエスモンテは「チーズケーキ」(5号、3800円)などを提供する。
売場は生鮮食品売場の総合レジの隣に位置する。総合レジでの購入も可能だが、配送する場合はギンザフローズングルメ内の専用レジで受け付ける。