2024年11月19日

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外出自粛や営業日数・時間減響くも、10%超のマイナスまで回復

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(73社・196店)の2月売上高は3223億円余で、前年比(店舗調整後)は10.7%減となり、17カ月連続減を強いられた。前月(29.7%減)より19ポイントも改善したものの、コロナ禍の影響がなかった前々年(平成31年2月)対比では21.9%減となり、厳しい状況が続いている。年明けに11都府県に再発令された「緊急事態宣言」の延長による対象地区の店舗での時短営業と主要顧客の高齢層の外出自粛、これに前年の閏年による営業日数減も響いた。

3カ月移動平均値は、7~9月25.6%減、8~10月20.5%減、9~11月17.8%減、10~12月10.8%減、11~1月18.6%減、12~2月18.0%減。昨年11月以降のマイナス水準が続いている。

顧客別では国内市場(シェア98.7%)が9.1%減となり、前月(25.5%減)よりも16.4ポイントも改善した。国内富裕層を中心に高額消費が活発で、ラグジュアリーブランドや時計・宝飾品が動いた。加えて巣ごもり需要とオンラインショッピングも引き続き好調だった。対して入国規制の影響が続くインバウンド(免税売上高)は60.7%減となり、前月(87.4%減)よりマイナス幅は大幅に改善したものの、前々年対比では86.4%減となっており、前月とほぼ同水準の落ち込みが続く。

地区別では地方都市(10都市以外)が前月(23.2%減)から14.2ポイントも改善し、9.0%減まで復調した。緊急事態宣言の対象エリアが多く前月が3割超(32.1%減)のマイナスだった10都市も前月より大幅に回復し、11.4%減まで戻してきた。

品目別では、主要5品目が全て2桁減だった前月から、家庭用品が4カ月ぶりにプラスに転じ、身のまわり品と雑貨がひと桁台のマイナスまで戻した。家庭用品ではイエナカニーズの高まりを背景に、調理家電が好調だった家電が17.7%増の二桁伸長で、かつ3カ月連続増。加えて特選食器関連がけん引したその他家庭用品が1.5%増となり、4カ月ぶりにプラスに転じた。

雑貨では、株高を背景に、高級時計を含む美術・宝飾・貴金属が8.9%増と2カ月ぶりのプラスで、前々年対比でも1.5%増だった。化粧品はインバウンド需要の激減の影響で、引き続き2桁以上のマイナスだが、国内顧客の需要が増えてきている。衣料品はビジネス関連を中心に苦戦し、主要5品目の中で最もマイナス幅が大きいが、一部軽衣料が健闘した。衣料品と同じく食品も二桁減で、特に菓子(16.4%減)の落ち込みが目立つ。ただ、バレンタイン商戦はオンラインショッピングが高伸し全体をカバーして堅調に推移した。

免税売上高(88店舗)は、約43憶3000万円、前年比60.7%減となり、前月(約39億9000万円、87.4%減)よりも売上高が増え、マイナス幅が改善した。とはいえ引き続き厳しい状況で、13カ月連続のマイナス。購買客数は92.0%減の約1万人で、前月(97.4%減、約1万1000人)とほぼ同水準。一人あたりの購買単価は約40万3000円、前年比390.8%増となり、共に前月の実績(約33万6000円、378.1%増)を上回った。