魅惑のミニチュア ドールハウスの世界展
「ドールハウス」と聞いて何を思い浮かべますか?
人形の家、女の子のおもちゃ…。実はそれだけにとどまらないのです。日本語でぴったり当てはまる言葉がなく、「小さい家」が近い訳になりますが、外装だけでなくインテリアも含め、精巧な再現性を誇るミニチュア文化のひとつがドールハウスです。
記録に残っている最も古いドールハウスは、16世紀、ドイツの侯爵が愛娘のために作ったものといわれています。マイスターと呼ばれた高い技術者がドールハウスを制作し、やがて裕福な貴族階級や商人たちのステイタスシンボルとなりました。
18世紀の産業革命により、安価な材料で量産が可能になると一般の人々にも広まり、趣味として玩具として人気となっていきます。長い歴史を経て世界中で愛されてきたドールハウスは、美術工芸品としてだけではなく、当時の暮らしを伝える文化遺産としても大変価値の高いものといえます。
日本でドールハウスが一般的に知られるようになったのは1970年代頃で、歴史は浅いのですが、現代作家の技術は世界的にも大変評価が高く、豊富なバリエーションが特徴で、個性豊かなミニチュア作品が次々と誕生しています。
本展では、日本ドールハウス協会の現代作家の代表作および新作、ノエカフェ・一色美世子コレクション、箱根ドールハウス美術館のアンティークコレクションなど約80件にて、ドールハウスの魅惑の世界をご紹介いたします。
日本ドールハウス協会 – Japan Dollshouse Association (https://www.dollshouse-association.jp/)
箱根ドールハウス美術館 (http://hakonedollhouse.jp/)
■入館料
一般1200(1000)円、大学・高校生1000(800)円、中学生以下無料 *消費税含む。
*( )内は、前売および以下をご提示の方の料金です。
[クラブ・オン/ミレニアムカード、クラブ・オン/ミレニアム アプリ、セブンカード・プラス、セブンカード]
*障がい者手帳各種をお持ちの方、およびご同伴者1名さまは無料。
*前売券は2022年4月15日(金)まで、そごう美術館またはセブンチケット、ローソンチケット、イープラス、チケットぴあにてお取り扱いしております。
第1章 イギリス ヴィクトリア朝時代のドールハウス 栄華と闇 ◇箱根ドールハウス美術館所蔵作品
第2章 世界のドールハウス ◇箱根ドールハウス美術館所蔵作品
第3章 現代日本のドールハウス
【出品作家】 日本ドールハウス協会
あいさわかずこ/秋山利明/内川由利子/遠藤大樹/小川富美子/郭桄甄/鎌田隆志/河合行雄/倉田吉実/倉林進/島木英文・啓子/〆野美/下條美枝/芹沢陽子/高梨匠/高橋起弥/高橋弘美/辰已惠/土屋靜/友岡雅子/中野佳子/服部香/BamBi/福澤博美/藤坂恵/みつもとみちこ/森田奈奈/八柳敬子/AMI YAMAGUCHI/ゆりこ (五十音順・敬称略)
【協力】 ノエカフェ・一色美世子コレクション
★ミュージアムショップでは、通常よりもスペースを拡大し、さまざまなドールハウスおよびミニチュア作品の販売を予定しております。
【現代日本のドールハウス】_日本ドールハウス協会の現代作家作品
《テディベア・ミュージアム》 倉林進
1994年から制作が開始された大作。ミュージアムの中の各ショップに置かれたミニチュア作品たちは、倉林氏のライフワークとして制作が続いています。クマの形をした電話、フォーク、模様など、たくさんの隠れミニチュアベアがあちこちに。
*公式 http://kurabayashisusumu.com/index.html
《海鮮居酒屋大漁丸》 河合行雄
海外でも大人気!
店内には生け簀の水槽、一人席やテーブル席、釣りができる船のお座敷席。精巧なお刺身や鍋、網焼きやビールなどのミニチュアに思わず笑みがこぼれます。
*ミニ厨房庵 https://minityuan.ocnk.net/
https://twitter.com/minichuubouan_t
《サロン》 小川富美子
子供の頃より手芸が大好きで、様々な手芸を楽しんできました。結婚し、4人の子育ての中で子供達を寝かせた後の1時間と早朝の1時間を私の時間と決めて、人形や、子供達の洋服、おもちゃを作り、子供達が成長してからは、いつしか私の作りたいドールハウスを作るようになってきました。私がハーフサイズ(24分の一)にこだわるのは、子供の頃デパートで1つずつ買ってもらった家具がこのサイズで、それがとても楽しみだったからです。ドールハウスには人形を入れない方が多いのですが、その部屋に合った衣装を着せた人形を作るのも楽しみです。人形を入れると不思議と物語が生まれます。
(公式HPより)
*公式 http://ogawafumiko.com/
《長江家住宅》 島木英文・啓子
奥行き、気配、空気感のある作品が作りたくなり、京都の町家に挑戦しました。「長江家住宅」は、京都市の指定有形文化財にも指定されており、TVや映画のロケにもよく使用されています。典型的な職住一体の京都室町呉服卸商家の佇まいを今に伝えています。
(公式HPより)
*公式 http://www5a.biglobe.ne.jp/~tonta/25kyouto%20nagae.html
《信州こもろ酒店》土屋靜
信州小諸。今も現存しそうな懐かしい酒屋さん。昔の酒屋さんはお酒のほか、味噌や醤油、塩なども販売していました。
《ロビンソン》 遠藤大樹
1960年代のトレーラーハウスをモチーフにした作品。本物と同じ素材のアルミシートで作ったトレーラーハウス、海岸で採った砂や貝殻、プランターで育てたドライフラワー、錆びた鉄板を小さく切った窓枠など、こだわりが随所に。
《キッツ・コティ・ハウス》 1911年、イギリス 幅81×奥行50×高84cm
フランス窓にバルコニーという魅力的なハウス。カタログ販売されていた品物で、価格は当時の値段で75ポンド。現在の日本円に換算すると15万円以上になり、おもちゃとしては高価なものでした。優雅なヴィクトリア時代をよく再現しており、人気商品だったようです。
《英国の鉄工場》 制作年不明、イギリス 幅90×奥行72×高71cm
ボイラーとエンジンはイギリスの老舗モデル・メーカー製。これは最初セールスマン・サンプルとしてミニチュアが製作されました。それが評判を呼び、一般模型として製作・販売されるようになりました。展示されているのは、工場の内側ですが、表面には、”Millwright G.COX & Co Engineers”の看板があります。Millwright(ミルライト)とは、機械の組み立て・修復工場のことを指します。
これは最初セールスマン・サンプルとしてミニチュアが製作されました。それが評判を呼び、一般模型として製作・販売されるようになりました。燃料が石炭や重油ではなく、アルコールであるということ以外は、本物と同じ構造、同じ動きをします。
《ダブリン・タウン・ハウス》1840年、アイルランド 幅115×奥行48.5×高125cm
この家は今から100年くらい前、当時6歳だった女の子が、クリスマスの日に、叔母から譲り受けたものです。ハウスが作られてから、その頃すでに100年近くたっていたといいます。もともとダブリンにある18世紀のジョージアン様式のタウン・ハウスとして作られたその家には、彼女の前に3人のオーナーがいて、家具は150年以上にわたって集められたものです。天蓋付のベッドや丸テーブルなどは、重厚感のあるマホガニー製です。
《デニスの家》 1880年、アメリカ 幅106×奥行57.5×高87.5cm
扉を開けると、派手な内装にあっと驚かされます。台所の窓には日本の掛け軸に扇子。かと思えばトルコの敷物に東洋の壺。メイドは子供にスイスの子供服を着せていて、とにかく国際色豊かな様子。この家の住人はどんな人たちなのでしょうか。
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