19年12月売上高 暖冬と休日減響く 全国百貨店 0.5%減 3カ月連続マイナス
日本百貨店協会が調査した全国百貨店(76社・208店)の19年12月売上高は6404億円余で、前年比(店舗調整後)は5.0%減となり、3カ月連続のマイナス。前月(6.0%減)よりもマイナス幅は改善したものの、消費増税後の反動が残り、暖冬で重衣料など冬物商材が苦戦した。これらに土曜・祝日の2日減、円高などによるインバウンド不調のマイナス与件が重なった。
3カ月移動平均値は、5~7月1.6%減、6~8月0.7%減、7~9月6.8%増、8~10月2.0%増、9~11月1.1%減、10~12月8.8%減。消費増税前の駆け込み需要と直後の反動減を強いられた8~10月がプラスを堅持したものの、反動減が残る11月までの9~11月がマイナスに転じていることからも、消費増税の影響が続いている。
顧客別では国内市場(シェア95.3%)が5.3%減となり前月(6.0%減)より改善しているとはいえ、消費増税前のマイナス水準と比べると、この幅は大きいままだ。インバウンドは0.8%減となり、ほぼ前年並みまで戻してきた。地区別では10都市が4.6%減(前月5.7%減)、地方都市(10都市以外)が5.9%減(同6.6%減)となり、前月よりもマイナス幅は縮小したが、厳しい消費環境が続いた。
主要5品目では全品目が3カ月連続減。前月にほぼ前年並みまで回復していた家庭用品と食品はマイナス幅が広がった。食品は前月プラスだった菓子が0.1%の微減。対照的に暖冬で冬物が苦戦した衣料品は前月(8.6%減)とほぼ同水準のマイナス。
免税売上高(91店舗)は約299億2000万円で、前年比は0.8%減。前月(5.3%減)より改善したが、3カ月連続減。購買客数が約43万7000人の前年比1.6%減と、前月(5.1%減)よりマイナス幅が改善したものの、7カ月連続減。円高や諸外国の国際情勢による訪日客数の減少が影響した。ただ、前月マイナス(0.3%減、約6万4000円)だった1人当たりの購買単価は0.8%増(約6万8000円)と、プラスに転じた。