東武船橋店、2階を一新 次世代層を的に、衣・食・住をミックス
東武百貨店船橋店は22日、2階の1~3番地をリニューアルオープンした。面積は約2000㎡で、「ドットエスティ」、「PLAZA」、「カルディコーヒーファーム」、ヘアサロンやネイルサロンなど、衣・食・住の様々なブランドやショップで構成。20~30代の女性をターゲットに、仕事や家事から離れて楽しめるくつろぎの空間を目指す。
同店の2~3階は以前、家電量販店「ビックカメラ」が入っていた。しかし、今年11月に予定するJR・千葉駅前の大型店舗の開業にともない、3月に退店。これに代わる新たな家電量販店として、6月に「ノジマ」が3階にオープンした。
そして2階は、次世代の女性を取り込むフロアと位置付けた。同店は50代以上の顧客が約7割を占めるなど、顧客の高齢化が進んでいる。しかし船橋市は人口の増加が続いており、同店は県内有数のターミナル駅である船橋駅と直結。さらに、2階は駅北口のペデストリアンデッキとつながっており、商機は大きい。「お客様の幅を広げ、買い回りも増やしたい」と取締役執行役員田嶋潤也店長は指針を示す。
2階のコンセプトは「わたしの Transit Lounge ~ここで気分を乗り換える~」。仕事や学校帰りの駅利用者や、近隣に住む子育て世代が、気分を切り替えリフレッシュできる場所を目指した。下層階の化粧品や食品売場、上層階の「ノジマ」、「ユニクロ」、「旭屋書店」などへと買い回る起点の役割も期待する。
ショップは、「ドットエスティ」、「PLAZA」、「カルディコーヒーファーム」、「スターバックス」、ヘアサロン「OASIS AVEDA」、眼鏡やサングラスの「オンデーズ」、バッグやファッション雑貨を扱う「エクルーガレリア」、リラクゼーション施術の「ラフィネ」、アクセサリーの「お世話や」、ネイルサロン「ダッシングディバ」の計10となる。「『わたし』と『大切な人』へのギフト」をテーマに、次世代層に支持されているブランドをセレクトした。
賑わいを生む食品とカフェ、気軽に立ち寄れる雑貨とコスメ、上質な時間を提案するファッションとビューティーなど、複数のカテゴリーをミックスしたライススタイル軸の売場構成とした。
リニューアルした売場の中でも、目玉となるのがアダストリアの「ドットエスティ」だ。売場面積は約330㎡で、「ローリーズファーム」、「ニコアンド」など、同社の約18ブランドを取り揃える。全国で6店目で、百貨店への出店は高槻阪急に次ぐ2店目。「当社は百貨店顧客との接点が少なかった。東武船橋店は立地も良く、新しいお客様を開拓できる」とドットエスティストア事業部長の新井和路氏は期待を寄せる。
ドットエスティはブランドごとに壁や仕切りなどを設けておらず、回遊性が高いため、「自分がブランドのターゲット層に合っているか」を気にせず買い物できるメリットがあるという。「高槻阪急では50代以上の方の利用が多く、『こんなブランドもいいね』と新たな発見の場になっている。東武船橋店でも、年齢層や性別を問わず様々な方にご利用頂ければ」(新井氏)。
フロアの内装はナチュラルなウッド調の素材をベースとし、明るい雰囲気にした。ソファベンチのあるラウンジスペースも設け、くつろぎの空間を演出。トイレもリニューアルし、パウダールームを新調した。
こうしたMDや内装は、同店で働く従業員の意見を参考にした。全員にヒアリングを行い、中でも20~30代の意見を重視。ターゲットと同世代の従業員が直感的に「行きたい」、「おしゃれ」、「いいね」と感じるモノやコトに照準を定めた。
田嶋店長は、「既存のお客様にとっても楽しめたり、発見があったりするフロアになったと思う。これからも店舗全体で品揃えやレイアウトのブラッシュアップを続け、お客様から選ばれる店舗にしていきたい」と意気込みを語った。
(都築いづみ)