西武プロパティーズ、西武リアルティソリューションズに商号変更
西武プロパティーズは1日、「西武グループ中期経営計画(2021~23年度)」に基づいた経営改革によるグループ内組織再編で、「株式会社西武リアルティソリューションズ」へ商号変更した。これを機に、西武グループの不動産事業の中心として、グループ保有資産の価値極大化を図り、より競争力の高い総合不動産会社を目指す。
西武グループ中期経営計画に基づいて「アセットライト」をテーマにビジネスモデルの変革が進められ、保有資産の価値極大化およびホテル・レジャー事業と不動産事業の競争力アップに向け、ホテルオぺレーター会社の「西武・プリンスホテルズワードワイド」と不動産事業を手掛ける西武リアルティソリューションズが始動した。
グループのホテル資産の保有と運営の機能を分離させ、プリンスホテルの資産および資産管理機能と西武プロパティーズを統合して誕生した西武リアルティソリューションズ(豊島区南池袋1丁目、上野彰久社長、1956年6月4日設立、資本金は8600百万円)は、不動産事業におけるアセットマネジメント、プロパティマネジメント、ビルマネジメントの領域を担う総合不動産事業会社となって業容を拡大していく。
西武鉄道沿線や都心のホテル用地の開発、駅ナカ・駅チカ店舗やリゾート型ショッピングモールなどの商業施設の開発・運営、オフィスや住宅・マンション・別荘地の分譲、駐車・駐輪場、霊園などの運営、保険代理業といった生活に密着した多様なフィールドが事業対象となる。
資産を十分活用して潜在的な収益力を顕在化させるためのアセット戦略として掲げているのは、1つが既存用途の延長線上で賃貸用不動産やホテルなどの増改築リニューアルを実施し、収益性・競争力を維持・向上させる「既存事業のバリューアップ」。2つ目はホテル・オフィス・住宅間での「事業ポートフォリオの組み替え」。3つ目は遊休地などの不稼働資産や高架下などの活用による資産の効率性・収益力向上、保有資産の収用や売却などによって生み出されたキャッシュを収益向上が見込まれる資産に入れ替える「コア事業への経営資源の集中」。
事業を拡大していくためのエリア戦略として「沿線」、「都心」、「リゾート」の3エリアを設定した。西武鉄道沿線エリアについては①所沢エリア②池袋エリア③沿線東京エリア④新宿エリア⑤沿線埼玉エリア⑥高田馬場エリア⑦多摩湖・国分寺・多摩川・拝島エリアの7つに分化。「沿線の中心衛星都市」(重要な交通結節点)として位置付ける所沢エリアは「所沢駅西口開発計画」と「グランエミオ所沢」が要となる。前者の所沢駅西口計画では、西武鉄道社有地(所沢車両工場跡地、約5万9000㎡)への広域集客型の商業施設を核とした大規模開発が計画されている。
都心エリアにおいては、東京23区内に約47万平米の優良不動産を所有する強みを生かして複数のプロジェクトをシームレスに推進していく。16年に開業した「東京ガーデンテラス紀尾井町」に代表される、オフィス・レジデンス・商業施設の開発から運営までのノウハウをもって、トータルで街づくりをコーディネートするスタンスを強める。今後の大規模開発では、高輪・品川、芝公園など高いポテンシャルがある都心エリアの価値極大化に乗り出す。
リゾートエリアについては西武グループが日本を代表する別荘地を育て上げている軽井沢・箱根・富良野などに保有するリゾートにおいて、サステナビリティを意識したリゾートエリアの向上に努めていく。
なお、西武リアルティソリューションズが運営・管理している商業施設は、リゾートでは「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」、沿線施設としては西武鉄道沿線の西武新宿・本川越・飯能・入間で展開する「PePe-ペペ‐」、生活密着型のエキナカ商業施設「エミオ」、大泉学園と所沢で展開する「グランエミオ」、高田馬場のランドマーク「BIGBOX 高田馬場」、都市型には「紀尾井テラス」がある。