プリンセストラヤ、「サステナブル」や「サイフの日」、「開運日」をフックに財布を拡販
プリンセストラヤは、「サステナブル」や3月12日の「サイフの日」、「開運日」をフックに財布を拡販する。買い替え需要の高まる3月に、日本バッグ協会が主催する、使用済みの財布を回収して環境にやさしい方法で処分するキャンペーンや、アンケートに答えると抽選でプレゼントが貰える「サイフの日」キャンペーンに参加。購買意欲を喚起する。今春の新商品も意匠の一部に縁起物を取り入れるなどして、金運を意識する消費者のニーズを取り込む。
コロナ禍による外出機会の減少によって、ファッション小物は苦戦が続く。日本百貨店協会の発表では、2021年の身のまわり品の売上げは6059億円。20年(5504億円)に比べて回復したものの、コロナ禍前の19年(7672億円)には届いていない状態だ。しかし、プリンセストラヤでは財布への影響は比較的小さいという。「外に出る際の装いというより、生活必需品という意識の方が強いのかもしれない」と企画担当の北村氏は語る。
こうした背景もあり、様々なキャンペーンを打ち、財布の拡販に注力する。日本バッグ協会が主催する「サイフの日」プレゼントキャンペーンは、2月15日~3月18日に開催。ウェブ上で財布に関するアンケートに答えると応募でき、抽選で商品券やオリジナル財布が当たる。もともとサイフの日自体が買い替え需要の高い時期に売場を活性化するために設けられたものだが、そこにプレゼントキャンペーンを重ねることで効果を高める。2月末時点で応募ページのPV数は前年を超えるペースで、応募率も高い数字を示し、好調な推移をみせた。
財布の回収キャンペーンは、概ね2月下旬から行う。同じく日本バッグ協会が立ち上げた企画で、不要となった財布を引き取り、一部店舗では代わりにその店で使用できるクーポンを配布して買い替えを促す。回収した財布は神職にお祓いをしてもらい、その後はごみ処理場の燃料として再利用される。そこで発生した熱は温水プールを温めるのに使用するなど、最後まで環境に負荷が掛からない形で処理する。
昨今はサステナブルへの関心が高まり、「1つのものを最後まで大切に使う」といった考え方も重視され始めている。長年使用し愛着の湧いた財布をお祓いしたうえで処分でき、環境にもやさしいため、そうした需要にも応えられる。
昨年に第1回を行ったところ、900個近い財布を回収。「参加した店舗は15だったにも拘わらずこの数は、非常に大きい。中には複数個持ち込むお客様もいて、改めてニーズの高さを感じた」(マーケティング課岡田氏)。この反響を受け、今年の2回目は参加する店舗を約20に増加。サステナブルで罪悪感の少ない買い替えを後押しする。
開催の期間は店舗によって異なるが、今年の3月26日は「一粒万倍日」、「天赦日」、「寅の日」の3つが重なる開運日であることから、3月末までとした店が多い。財布はその特性上、験担ぎを意識する人が少なくなく、中でも最近は一粒万倍日の認知度が上がっている。今年の1月11日も一粒万倍日と天赦日が重なるラッキーデーだったが、同社に雑誌から財布と金運についての取材が来たほどで、消費者の関心の高さがうかがえる。
ダコタの今春の新作でも、開運にまつわるモチーフを取り入れた商品が登場する。細やかな革の透かしのカットワークが特徴の「コッチャ」シリーズは、豊穣のお守りとされてきた貝殻のブローチが付いている。「オスピタリタ」シリーズは使うほどに手に馴染むイタリアンレザーに、金運アップの効果があるクロコダイルの型押しを施した。「リリーヴォ」シリーズは円満や調和への願いが込められた「七宝紋」と花柄を組み合わせ、繊細で可憐な模様を表現した。12月から店頭で展開しており、いずれも売れ行きは好調だという。