あべのハルカス近鉄本店、ファッションフロアの“大改革”に着手 「スクランブルMD」にシフト、まずタワー館の4階から
あべのハルカス近鉄本店は、約1億円を投じてタワー館4階を大規模改装し、約30の新規を含めて約50ブランドを揃える自主編集売場「Salon de GATE(サロンドゲート)」を16日に開く。2014年3月にグランドオープンして以降、タワー館のファッションフロアの大規模改装は初めて。同館とウイング館のファッションフロアは今後も、いわゆる「スクランブルMD」を採用して再編。今秋は引き続きタワー館の4階とウイング館の5階、2023年度(23年3月~24年2月)にはタワー館の5階を、それぞれリニューアルする。
タワー館4階のエスカレーターの横、現在の休憩所と「スタイルギャラリー」の跡地に誕生するサロンドゲートは、「『ファッションとは、生活のテンションを上げてくれるすべてのもの』と考え、『オンもオフも楽しみたいオトナの女性』をターゲットに、『総合的なライフスタイル提案』をテーマにした」(近鉄百貨店)。
売場面積は約215平米で、国内のデザイナーズブランドを中心とする衣料品から、「サステナブル」など“背景”にもこだわった生活雑貨や食品、見栄えする飲食物が人気の「カフェナンバー」の百貨店初常設店舗まで、約50のブランドが集う。うち約30が新規で、衣料品では「ミュベール」や「ロキト」、「タン」、「サクラ」、「08 サーカス」、「メクル」など、生活雑貨では「マリハ」、「ペリーコサニー」、「オサジ」、「クラウス ポルト」、「ザ・ランドレス」、食品では「ベイクアンドビーンズ」、「ゴーイングナッツ」、「アリサン」などが名を連ねる。
売場内にはイベントスペースを設置。生活雑貨やスイーツなどの注目のブランドを、期間限定で誘致する。3月16~23日は「ナッツラボ」や「シゼン ト オゼン」、3月24~29日には「キアラ フィレンツェ」が同店に初めて出る。
品揃えの比率は衣料品が55%、生活雑貨が25%、カフェを含めた食品が20%。衣料品と非衣料品は半々に近く、まさにスクランブルMDだ。
社員で運営する自主編集売場は、認知度の向上が不可欠だけに、「インスタグラム」を使った情報発信も積極化。ファッションフロアの大規模改装を推し進めるプロジェクトの担当者である20~30代の4人が、個々のアカウントで売場の情報や日常で出会った“テンションが上がるモノ”などを投稿し、メインターゲットの20~40代を呼び込む。
同店はサロンドゲートの新設を「ファッション大改革第1弾」と位置付けており、今後も同じくタワー館の4階や5階、ウイング館の5階を大規模改装。婦人服の売場をスクランブルMDに切り替え、収益力の強化に繋げる。