【2021年(令和3年)百貨店業界回顧】活発化した百貨店再生への改革・価値創造
2021年(令和3年)の百貨店業界は、早期業績回復と再成長戦略への基盤整備に注力した年であろう。新型コロナウイルスにともなう消費環境の劇的な変化が直撃した20年の未曾有の収益減からの早期回復と、その先の再成長戦略を命題に、各社各様の原点あるいは存在価値に立ち返り、新たな百貨店グループ並びに百貨店ビジネスモデルの創造を目指した構造改革と新しい価値提供に取り組んできた。大手百貨店は新たな中長期経営計画に移行して再出発した。共通する命題は「百貨店事業の再生」である。各社各様にこれまで培ってきた強みを磨き上げる一方で、これまでの「百貨店」あるいは「業界」の枠(常識)に囚われず、新しい売り方やサービスの提供を矢継ぎ早に具現化してきた。ここにはデジタル活用が欠かせない。オフライン(リアル店舗)とオンラインの融合による「OMO」(オンライン・マージズ・ウィズ・オフライン)型の商いへの転換も進んだ。さらに新たな価値提供には、他の企業とのアライアンスも欠かせない。
早期業績回復、道半ばも百貨店の「強み」は健在
周知のようにコロナ禍が直撃した20年暦年(1~12月)の全国百貨店売上高(日本百貨店協会調査)は、4兆2204億円余、前年比(既存店ベース)25.7%減となり、過去最大のマイナス幅だった。額にすると1兆5342億円も減少しており、20年の地方都市(10都市以外)の累計売上高(1兆2721億円)を凌駕する規模だ。百貨店各社はこれまで経験したことがない減収を強いられ、多くの百貨店が営業赤字に陥った。
21年はコロナ禍の2巡目に入り、早期収束を期待していたものの、緊急事態宣言の再発令やまん延防止等重点措置の適用などによって、引き続き百貨店の営業活動が制限された。物産展など人気の大型催事も復活したものの、入店客数を制限した中での開催であり、コロナ禍前の賑わいまでに戻りきっていない。大手百貨店では21年度(22年2月・3月期)の業績予想の修正が相次いだ。目指している早期業績回復は、まだ道半ばの状況だ。
全国百貨店の21年の売上高は、11月まで累計で3兆8262億円、前年比5.4%増。回復基調で推移しているものの、コロナ禍前の前々年比(19年比)では23.5%減となり、コロナ禍前の8掛けに満たない回復度に過ぎない。仮に12月が11月と同水準の伸長率(8%増)と仮定すると、暦年売上高は4兆5200億円程度になる。19年(5兆7547億円)に比べると、「8掛け」に満たない回復度だ。
しかしながら百貨店の「強み」は発揮され、着実に復調してきている。全国百貨店の21年の商品別売上高でも、この傾向が顕著に表われている。主要5品目のうち高額品やラグジュアリーブランドの実績が入る雑貨や身のまわり品は、ほぼ毎月、総額の増減率を上回っており、11カ月累計で雑貨は10.1%増、身のまわり品は10.6%増。雑貨のうち高額品の代表的領域である美術・宝飾・貴金属は27.0%増という突出した伸長率で推移している。前々年比では5.8%減まで回復している。また、食料品も堅調だ。11月までの累計では4.8%増で、総額の伸長率より0.6ポイント低いものの、前々年比では13.2%減まで復調している。「デパ地下」の強みも健在だ。
対照的にコロナ禍前も伸び悩んでいた衣料品の回復度が遅れている。11月まで累計の前年比は2.5%増で、平均より1.9ポイントも低い。ただ婦人服は平均値とほぼ同水準の5.3%増まで復調した。紳士服(前年比2.3%減)と子供服(同3.4%減)は水面下の状況だ。とはいえ健闘している婦人服も前々年比では30.2%減で、衣料品全体(30.8%減)とほぼ同水準。ここ数年の百貨店の店舗改革で衣料品の売場面積が縮小している影響もあろうが、コロナ禍前の「7掛け」で停滞している状況だ。
「原点・存在価値」を再認識、新中長期計画が一斉に始動
言うまでもなく新型コロナウイルスによる消費環境の劇的変化は、好立地にリアル店舗を持ち集客して収益を確保する百貨店事業のビジネスモデルの根幹を揺るがした。大手百貨店は経営計画の見直しを余儀なくされ、J・フロントリテイリング(JFR)、高島屋、エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)、近鉄百貨店などは、21年度から新たな中長期経営計画に移行した。三越伊勢丹ホールディングスも22年度から新中計が始動する。
この多くが2030年を見据えた長期視点で「あるべき姿」を明確にしたうえで、中期3カ年計画を遂行していく指針を示した。新中計は、コロナ禍前の利益水準に戻す早期業績回復と共に、再成長戦略への道筋をつけていくためのステージと位置づけている。新中計遂行の鍵を握るのが、基幹事業である「百貨店事業の再生」だ。コロナ禍で営業損失に陥ったとはいえ収益基盤に違いなく、やはり百貨店事業を立て直し、基盤を再構築しなければグループの再成長戦略は描けない。言うまでもないが、百貨店事業は「企業ブランド」の源泉なのである。
コロナ禍の消費環境の劇的な変化にともない百貨店ビジネスの課題がより浮き彫りになり、同時に、「百貨店の強みを生かせる価値提供(モノ・コト提案)」、「戻る消費と戻らない消費」、あるいは「今後の成長が期待されるマーケット」も顕在化してきた。新中長期計画の策定では、環境変化の捉え方が前提となる。H2Oでは「急速なデジタル化・オンライン化」、「生活者やビジネスパートナーとダイレクトにつながるネットワーク型社会への移行」、「都心立地の優位性の不透明化」に留意して新中計を策定した。これらを前提に、「リアル店舗とデジタル技術を融合したビジネススタイル(OMOスタイル)構築」、「顧客とのコミュニケーションを起点とした新たなビジネスモデルへの変革」、「都心集客型からの変革と百貨店依存度の低減」を戦略課題に挙げている。
また、三越伊勢丹グループでは富裕層の拡大や衣料品消費の減少に表れている「所得と消費の2極化の加速」をはじめ、ミレニアル・Z世代の台頭や少子高齢化の加速にともなう「顧客構造の変化」、「オンラインの加速」、「ITによる環境の変化」、「環境・社会意識の高まり」、「地域社会との共生」を注目すべき環境変化と捉えて、方向性、基本戦略、重点戦略を策定した。
22年度から始動する新中計は「百貨店事業の再生フェーズ」と位置づけ、「高感度上質消費の拡大・席巻、最高の顧客体験」を基本戦略に据え、「高感度上質戦略」、「個客とつながるCRM戦略」、「連邦戦略」という3つの重点戦略を推進する。重点戦略の中心が「高感度上質戦略」である。高感度上質消費を「生活にこだわりを持ち、上質で豊かな生活を求めるお客さまの消費のすべて」と「日常のハレの日、月1回でも年1回でも三越伊勢丹グループをご利用いただけるすべてのお客さまの消費」と定義した。この消費の拡大・席巻に向け「高感度上質戦略」とデジタル改革(DX)で、リアル店舗とオンラインを融合したシームレスな顧客体験価値を提供し、パーソナル(個)マーケティングによる「つながるCRM」でファン化して「グループ生涯個客」を拡大する方向性を打ち出した。
高感度上質戦略は「高感度上質店舗の構築」、「外商(個人)改革」、「高感度上質拠点ネットワークの構築」の3本柱で推進。高感度上質店舗構築に向けては、伊勢丹新宿店と三越日本橋店の両本店を「憧れと共感」の象徴に磨き上げる。ここでは「百貨店を科学する」ことでMDバランスを変革し、事業モデル再生を進める。
外商改革では、外商セールス、バイヤー、店頭アテンダントの連携とデジタルを掛け合わせた新たなセールスネットワーク体制を構築し、全国外商顧客のライフタイムバリューの向上を目指す。これらの実現に向け暖簾を超えた「統合外商組織」を設置する予定だ。高感度上質拠点ネットワーク構築とは、全国の市場規模に合わせてリアル店舗を配置して、基幹店と地域母店(国内百貨店20店舗)を基点に中小型店(約100店舗)を含め、デジタルネットワークとセールスネットワークを掛け合わせて拠点間の連携を強めていく取り組みだ。高感度上質戦略は、百貨店の強み(経営資源)を最大化していくために、人を軸にデジタルを活用しながら具現化していく戦略に違いない。
大手百貨店の新中計からも、百貨店事業再生に向けて各百貨店が取り組むべき命題が明らかだ。
リアル店舗の魅力化へ、「融合」がキーワードに
百貨店事業の早期回復に向けては、リアル店舗の魅力化が欠かせない。デジタル技術を活用したOMO(オンラインとオフラインの融合)への取り組みが活発化しているが、あくまでリアル店舗が基軸であり、ここに対象顧客を惹き付ける魅力的なモノ・コトの提案、そしてヒトがいなければ、各百貨店が目指すOMOは実現できない。
多くの百貨店では、百貨店MDと専門店の融合、地域との融合(共生)、オンラインとの融合という「ハイブリッド型の新百貨店モデル」への転換期にある。MDの強化領域は、「ラグジュアリー(特選・時計・宝飾)、ビューティー(美と健康)、フード(食・飲食)、アート・カルチャー」で、百貨店の「強み」を発揮できる領域だ。これにイエナカ需要の台頭にともなう「リビング・生活雑貨関連」の拡充も欠かせなくなってきた。一方、これらの領域拡大にともない、低迷が続く婦人服、紳士服、子供服の衣料品売場の規模適正化が進みつつある。こうしたカテゴリーバランスの再編と共に、品揃えの幅を広げていくために、従来型の百貨店MDにとらわれない専門店(テナント)の導入も、ここ数年、改装の潮流と化している。百貨店と専門店運営との融合による安定的収益を確保していくための新たなビジネスモデル構築の一環でもある。
要は、マーケティング力、編集力、目利き力、提案力、店舗空間の演出力といった百貨店本来の強みを磨き上げて、従来の百貨店の「枠」や「常識」にとらわれず、マーケットの変化に適応していける各店各様のリアル店舗の魅力化を進めなければならない。改装のタイミングは投資の優先順位もあり、各店各様だろうが、リアル店舗の魅力化に向けたMD再構築も待ったなしの状況だ。投資が難しい状態でも中期視点で将来の改装に備えたトライアルを進めていく必要があろう。
コロナ禍でも21年は次世代型百貨店の構築や新しい売場開発に挑戦した改装事例が相次いだ。10月8日に約7年に亘る建て替え改装が先行開業した阪神梅田本店には、自分充足志向の価値観にフォーカスし、スモールマスマーケットを狙った戦略・戦術、人を基軸にしたファンコミュニティ型百貨店やOMO型モデルの創造など、多くの百貨店に問われている店舗改革の要諦がふんだんに織り込まれている。また、12月10日に30年ぶりの大規模改装をグランドオープンさせた松山三越は、地方都市百貨店の生き残り策に挑戦したドラスティックな改革だ。百貨店運営を約4割まで集約して、地元の有力企業と連携してホテルやフィットネス関連、フードホールや食品スーパーなど専門店を導入して、新しい館を創出した。ただ松山三越の店舗改革は、「売上高地域2番店」で、観光都市の特性かつ三越伊勢丹の基幹店MDのサポートを活用した店舗改革だ。つまるところ店舗の立地環境に応じた同店ならではの改革で、他の地方都市百貨店は簡単に真似ができないMDが多い。とはいえ、方向性やエッセンスは参考になるべき点が少なくない。
OMOへの変革が加速、ミレニアル・Z世代に種まき
また、21年は「ウィズ・コロナ」、「アフター・コロナ」下の消費動向の変化を見据えた新しい売場、売り方、サービスの提供が活発化した。コロナ禍前から計画していたモノ・コト提案もあるが、コロナ禍がこうした新しい価値提供を具現化する「追い風」になったことは否めない。
オンラインとオフラインの融合による「OMO」型の売り方への変革が加速した。20年から着手していた店頭の商品を自宅で購入できるリモートショッピングは対象商品が広がり、オンライン接客の精度も高まった。三越伊勢丹では独自のVRプラットフォームの確立を目指し、VRを活用したスマートフォン向けアプリの提供を開始した。
新しい売場づくりでは、そごう・西武が西武渋谷店に新設したメディア型OMOストア「チューズベースシブヤ」や大丸松坂屋百貨店が東京店に設けたショールーミングスペース「明日見世」のように、百貨店を「メディア化」した売場への挑戦も始まった。ここではD2Cブランドを中心に編集しており、企業支援や取引先開拓にもつながる。
また、コロナ禍でもサステナビリティ活動への積極的な取り組みが顕在化してきたのも21年の特徴であろう。各百貨店の新中計でも「サステナビリティ経営」に留意しており、今後の百貨店事業、並びにグループの持続的成長戦略の根幹だ。三越伊勢丹が三越日本橋店で試験的に実施し、10月から伊勢丹新宿店の両店で本格的に開始した買取サービス「アイムグリーン」は、サステナビリティ活動をともなう新しいビジネスとして注目されよう。
21年は「百貨店再生」に向けて動き出し、いくつも顕在化させてきた年であろう。強みである組織顧客や富裕層へのワン・トゥ・ワン対応や営業施策に優先的に取り組み、一方でミレニアル・Z世代を意識した種まきも行っている。コロナ禍前のようなリアル店舗の集客力が制限される中で、百貨店から顧客に寄り添っていくための新しい価値提供に積極的に取り組んできた。ここには取引先との協業も欠かせない。そして何よりもこれらを最前線で実践する従業員への「寄り添い方」にも留意していく必要がある。
釈迦に説法だが、コロナ禍の劇的な環境変化を各社各様に次世代型百貨店の創造に向けた構造改革の「追い風」に転換しなければならない。中核事業の基盤整備抜きには、次なるグループ再成長戦略も描けない。百貨店は9兆7000億円が半減しても生き抜いてきた。そこには各社各様のDNAが脈々と継承されている。今、百貨店業界は「ウィズ・コロナ」下の「再生フェーズ」の真っ只中にいる。22年はDNAを基盤にした百貨店の底力を発揮して、「新常態(ニューノーマル)」に適応する新たなビジネス構造への変革のアクセルを踏むフェーズにしなければならない。
各社ともネットシフトを強めたため、例年のような混雑ぶりが見られなかった。そごう・西武は昨年のうちから福袋のネット販売に注力。伊勢丹新宿店では福袋の約9割をネット販売に切り替えた
全国百貨店の2020年(令和2年)暦年売上高(日本百貨店協会調査、73社196店)は4兆2204億円余となり、既存店(店舗数調整後)前年比は25.7%減で、過去最大のマイナス幅に。新型コロナ感染拡大にともなう臨時休業や営業自粛と消費環境の変化による国内顧客が低迷。インバウンド需要も激減
三越伊勢丹ホールディングスは、独自のVRプラットフォームの確立に向けて、3月10日よりVRを活用したスマートフォン向けアプリ「REV WORLDS (レヴ ワールズ)」の提供を開始。アプリ内では時間や場所に捉われないオンラインの利便性に加え、新宿東口の街の一部エリアをモデルとした仮想都市空間や伊勢丹新宿店の一部コンテンツを再現した仮想の売場を体感できる
阪急阪神百貨店は店頭に並ぶ商品を事前に注文・決済し、受取時間指定ができるサービス「リモオーダー」を阪急うめだ本店などで20年春から開始。三越伊勢丹はアプリ内のチャットや動画接客を通じて販売員が顧客の専用カートに入れるリモートショッピングアプリを20年11月25日から伊勢丹新宿本店の特選、婦人服、紳士服、化粧品の14売場を対象に開始し、翌年2月に27売場に拡大。近鉄百貨店は20年12月より店頭商品を電話で注文・決済して自宅に届ける「でんわ・デ・オーダー」サービスを化粧品売場で開始し、21年2月より婦人服・洋品雑貨、紳士カジュアル・スポーツなどに広げた
百貨店は20年度に大幅な減収減益を強いられたため、J.フロントリテイリング、高島屋、エイチ・ツー・オーリテイリングなど大手百貨店グループではコロナ禍前に策定していた中期経営計画を一旦休止し、21年度からコロナ禍前の利益水準への早期回復と再成長戦略に向けた新たな中長期経営計画に移行した。三越伊勢丹ホールディングスも22年度から開始
名古屋鉄道が3月末にエムザの運営子会社、金沢名鉄丸越百貨店の全株式をディスカウントスーパーのヒーロー(茨城県牛久市)に譲渡。「めいてつ・エムザ」は4月1日付で、「金沢エムザ」に名称変更。さいか屋は、健康食品メーカーのAFC‐HDアムスライフサイエンスの子会社に。また、東急はジャスダック上場のながの東急百貨店を完全子会社化し、5月28日付で上場廃止
東急が5月13日、東急百貨店本店および隣接するBunkamuraを一体的に開発すると発表。東急、L Catterton Real Estate、東急百貨店の3社は、渋谷の商業エリアと松濤の住宅エリアの結節点に位置する「渋谷区道玄坂二丁目24番土地における開発計画」を進める。東急本店は23年1月30日に営業終了。Bunkamuraは23年4月より長期休館予定
6月24日に発表。エイチ・ツー・オーリテイリングが阪急電鉄や阪神電鉄の駅構内で展開するコンビニエンスストア「アズナス」(全98店舗)を7月下旬から順次、「ローソン」に転換。アズナスがローソンのフランチャイズチェーンに加盟して、店舗を運営する
そごう・西武は21年2月よりデパ地下惣菜・弁当の宅配を西武池袋本店で開始。松屋浅草は弁当や惣菜、生鮮食品などを対象に台東・墨田区限定でバイク便による宅配を6月より開始。そごう広島店は宅配サービス「ウォルト」を活用して食品売場約30店舗を対象に6月より開始。水戸京成百貨店は地元のタクシー会社のさわやか交通と連携し、百貨店内の飲食店の料理を届けるサービスを6月から開始。京王百貨店は「ピックゴー」を活用し、新宿店食品フロア約700種類を対象に7月15日より開始。福屋はENEOS(エネオス)買物代行と提携し、八丁堀本店と広島駅前店の食品売場ほぼ全商品を対象に10月1日から22年3月末まで期間限定で実施
エイチ・ツー・オーリテイリングは富裕層やアッパーミドル層が増加中の中国・浙江省寧波市に地域最大級の商業施設を新設。地下1階、地上6階、売場面積は約11万6000㎡、約380店舗を集積。百貨店とSCの強みを融合した「体験型デパートメント・モール」。中期売上高目標は30億元(約500憶円)
そごう・西武は4月28日に、「グランツリー武蔵小杉」に食品を中心としたギフトショップ「西武武蔵小杉ショップ」(1階、売場面積約120㎡)を出店。京王百貨店は4月22日に「京王クラウン街橋本」にサテライト店(約108㎡)を出店。高松三越はそごう徳島店跡のアミコビル2階(5階一部、売場面積約2500㎡)にサテライト店「三越徳島」を10月15日に出店(仮設、22年春本格開業)。9月30日に閉店した松坂屋豊田店跡の2階に名古屋三越が「三越豊田」(約1900㎡)を22年春に出店予定
7月7日に締結。大阪府が百貨店と同協定を結ぶのは初めて。子供・教育、地域活性化、環境、健康・福祉、雇用促進、防災・防犯、府政のPRなどの分野が対象。大阪産の商品開発や販売・プロモーション支援、食品ロス削減パートナーシップ事業者への登録などを進めていく
東急百貨店は食料品の基幹店舗として「渋谷 東急フードショー」の全面改装を3ステップで進め、20年9月に「生鮮・グロサリーゾーン」(渋谷マークシティ地下1階、約2920㎡、13店)のオープンに続き、「スイーツゾーン」(渋谷マークシティ1階、売場面積約1320㎡、37店)を21年6月1日に、「デリゾーン」(渋谷地下街エリア、約1830㎡、54店)を7月10日にオープン。総売場面積約6070㎡に104店舗を集積した渋谷随一のエンターテイメントフードエリアが完成
小田急百貨店は7月16日、小田急電鉄が東京地下鉄等と共同で推進する「新宿駅西口地区開発計画」にともない、2022年9月末(予定)で新宿店本館での営業を終了し、以降、新宿西口ハルクにて営業を継続すると発表。改装後は食品、化粧品、インターナショナルブティックを中心に構成する予定
三菱地所が運営する大名古屋ビルヂングの1、2階に「ジェイアール名古屋タカシマヤ ウオッチメゾン」を開設。売場面積約1200㎡に、約90ブランドを集積。さらにイオンモール岡崎の1階に食品売場「フードメゾン岡崎」(売場面積約2400㎡、約40店舗)を22年3月15日に開業予定
エイチ・ツー・オーリテイリングは8月31日、関西地盤の関西スーパーマーケットを傘下に収め、22年2月にH2O傘下のスーパー2社(イズミヤと阪急オアシス)と関西スーパーとの経営統合を目指すと、発表した。12月に株式交換によって、H2Oは関西スーパーへの出資比率(議決権ベース)を58%まで高めて完全子会社化、22年2月までに関西スーパーはスーパー事業を担う新会社を設立し、新会社とイズミヤ、阪急オアシスを合わせた3社を傘下にぶら下げる中間持ち株会社になる予定
近鉄百貨店、天満屋、福屋、藤崎、藤丸、佐賀玉屋が、地元産品など特集ページを集約し、相互にリンクさせた「協同ランディングページ」を9月から順次開設。近鉄百貨店が企画し、各社に呼びかけて実現。各社のオンライントップページ内に「全国ご当地おすすめ名産品」の共通バナーを設置。12月までに遠鉄百貨店、うすい百貨店、ながの東急百貨店が参加
10月1日、伊勢丹新宿店本館7階に顧客の不要品買取、引取サービスを行う「アイムグリーン」を開設。百貨店としては初めての直営かつ常設窓口。対象は衣料品、バッグ、時計、宝石、骨董、美術品など。三越伊勢丹の販売員が買取、引取、資源のリサイクルといった再利用方法を提案
そごう・西武は西武渋谷店パーキング館1階に9月2日にメディア型OMOストア「チューズベースシブヤ」を新設。店頭とECで顧客、商品、在庫情報が統一されたストア形態で、百貨店業界では前例のない売場づくりに挑戦。売場面積は約700㎡で、編集テーマに共感するブランドや商品を編集した展示エリア(2カ所)と、「ファブリックトウキョウ」、完全キャッシュレスの「テイラードカフェ」を展開するラウンジエリアの4エリアで構成。また、大丸松坂屋百貨店は、大丸東京店4階イベントスペースにD2Cブランドのショールーミングスペース「明日見(asumise)」を10月6日に新設。売場面積は約100㎡で、開設時は19ブランド、約150点を揃えた。自社スタッフ(=アンバサダー)を配し、顧客に商品の説明やブランドストーリーを、作り手に顧客の声を伝える「メディア機能」を担う
2014年秋から進めてきた約7年に亘る建て替え工事が一部売場を除き先行開業。22年春に地下1階の阪神食品館が完成してグランドオープン。地下2階~9階の11フロア構成で、売場面積は建て替え前と同様の約5万3000㎡で、10月時点は約89%(約4万7000㎡)が完成。「自分充足志向」の価値観に焦点を当て、「毎日が幸せになる百貨店」をストアコンセプトに、これまでの「阪神らしさ」を大切にしながら、日常や暮らしの豊かさとその本質の価値を提供していく新しい百貨店づくりに挑戦
大規模改装をともなう店舗構造改革で、地域協業によって百貨店と専門店が融合した「街の賑わいの拠点」を目指す。売場面積約1万7000㎡のうち、百貨店運営を2階から4階の約6800㎡に集約。5階から8階は滞在・美と健康がテーマの「体験の上層階」、地下1階と1階は食と地域MDの「賑わいの下層階」と位置づけたフロア。道後温泉で旅館を運営する「茶玻瑠」と「古湧園」、不動産やホテルを手掛ける「三福ホールディングス」、飲食店を展開する「タケシカンパニー」など、愛媛県内の有力企業が参画