2024年11月19日

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2020年4月 大手百貨店3社売上高

臨時休業強いられ、大幅減収

大手百貨店3社の4月売上高は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い発出された緊急事態宣言に応じ、臨時休業や営業時間短縮など営業自粛によって大幅な減収を強いられた。
3月が12.3%減だった髙島屋(国内百貨店子会社含む)は、4月8日以降、緊急事態宣言が発出された都府県の大型店舗の臨時休業(食品フロア除く)を実施したため、69.2%減まで落ち込んだ。入店客数は73.7%減。前月に7割減だった免税売上高は99.1%まで激減した。店舗別では、インバウンド需要が多い大阪、新宿の大型店が8割を超える減収。主要5品目では、衣料品(81.7%減)、身のまわり品(85.3%減)、雑貨(79.1%減)が大幅に落ち込んだ。対して食品は生鮮関連が18.2%減にとどまり、42.6%減と健闘。食品はネット通販が好調で、クロスメディア事業は4.8%の増収。法人事業は減収ながらも3.4%減にとどめた。
3月が21.5%減だった大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)も79.0%減の大幅減収。4月7日以降、順次、店舗の臨時休業と営業時間短縮を実施し、19日以降は16店舗のうち15店舗が臨時休業(一部店舗で食品売場のみ営業)の状況だった。食品売場も休業していた大丸の心斎橋、梅田、東京などは9割前後も落ち込んだ。免税売上高は客数が99.8%減まで激減し、99.3%減。ただ客単価は約249%増だった。
3月が15.8%減だった三越伊勢丹(国内グループ計)も79.2%減の減収。昨年9月末に閉店した伊勢丹相模原と府中、3月に営業終了した新潟三越を除く既存店ベースでは78.2%減。4月8日以降、全館臨時休業していた基幹3店舗はインバウンド需要が大きい三越銀座店が94.9%減で、3店舗合計では83.9%減だった。国内グループ百貨店は、食品売場を営業していた店舗もあり、69.6%減にとどめた。店頭が厳しい中でも、化粧品の「ミーコ」や宅配サービス「イセタンドアーズ」などEC事業は3月に続き好調だった。