プリンセストラヤ、「ダコタ」で初のレザー雑貨シリーズ「D_mine」始動
プリンセストラヤは今秋、主力ブランド「ダコタ」で〝ライフスタイル〟や〝エシカル〟をキーワードにした新商品を発売した。ブランド初のプロダクトシリーズ「D_mine」は、花瓶やスリッパ、PCケース、マウスパッドなど、全14種類のレザーアイテムを展開する。エシカルな商品としては、キズや色ムラがあり今まで商品に使っていなかった革を用いた「ブロンコス」、有害な化学物質を含んでいない等の国際的な認証を取得した「イーサン」シリーズをスタート。消費者の関心が高まる価値観を取り入れ、時代の変化に即した新たな提案をする。
様々な生活シーンに「ダコタ」を提案
商品部マーケティング課課長の岡田卓也氏はD_mineについて、「例えば家の中や車の中、通勤、趣味の時間など、生活の様々なシーンに商品を提案できるようにと考えた」と説明する。ダコタは「革の特性を熟知しているからこそ実現できる、デザイン性の高さ」を強みとしており、D_mineもその部分にこだわった。既にダコタの良さを知っているロイヤルカスタマーを主なターゲットに定め、バッグや財布以外にも〝ダコタ〟を取り入れてもらうことを狙う。
今シーズンはテーマを「ステイホーム」、「テレワーク」とし、フラワーベース2種、アームレスト、コースター、ティッシュカバー、スリッパ、眼鏡ケース、ケーブルバンド2種、マウスパッド、ペンシルケース、A4ファイル、ドキュメントケース、PCケースの14種類を用意した。
素材は全てナチュラルなヌメ革を使用し、革の自然な艶感や清潔感が感じられるデザインに仕上げた。価格帯は660円~2万3100円。
同社は数年前から、ライフスタイルブランドとしての展開を計画していた。昨今は電子マネーの普及によって財布やバッグの小型化が進み、さらに財布やバッグ自体の需要も縮小するという状況になっていた。昨年からのコロナ禍と外出自粛によって、その傾向はさらに加速。これを契機として昨年末に具体的な企画が立ち上がり、今秋のスタートに至った。
8月からハンドバッグ売場で販売を開始。売上げは順調に推移し、「レザー小物のニーズの高さを感じた」(岡田氏)という。ギフト利用も多く、8月末までの時点で約5割を占める。ブランド初の雑貨シリーズということもあり、接客やポップ、商品の見せ方などは客や販売員にヒアリングを行い、ブラッシュアップに努めている。
今後もシーズンごとにテーマを設定し、新規アイテムを増やす予定だ。来期以降はワクチン接種が進むに連れて外出の機会が増えると予想し、「お出掛け」や「アウトドア」、「ピクニック」などをキーワードに、開放的なライフスタイルに合った商品を計画している。
今まで使用していなかった革をバッグに、エシカルを訴求
エシカルやサステナブルを意識した取り組みとしては、「ブロンコス」、「イーサン」シリーズを始めた。
ブロンコスは、キズや色ムラ、色抜けなどによって、性能に関係なく弾かれてしまっていた革を使用したショルダーバッグを発売。革の風合いや感触を生かすために表面加工を一切せず、自然な革の持つ個性を楽しめる。同社では以前から使われない革に対する問題意識があり、商品化へと繋がった。カラーは7色展開で、価格は1万8700円。
イーサンは、革に有害な化学物質を含んでいないこと等を証明する、国際的な認証システム「エコテックスレザースタンダード100」の認証を受けた革を採用。その革をダコタらしいナチュラルな風合いに仕上げた。すっきりとした台形のデザインで、どんなスタイルにも合わせやすい。トートバッグ(3万6300円)、2ウェイバッグ(3万3000円)、ショルダーバッグ(2万8600円)の3型で、カラーは4種類を用意。
もともとダコタでは2000年から、植物由来のタンニンのみで革を鞣すタンナー団体「イタリア植物性タンニン鞣し革協会」が認定した「ベジタブルタンニンレザー」を使用するなど、早くから環境にやさしい素材を採用していた。最近は消費者からの関心が高まっているため、こうした取り組みについても店頭のポップや接客などで説明するようにしているという。
「お客様に安心して買っていただくためにも、『商品がどこでどのように作られているのか』というトレーサビリティは重要。しっかりとお伝えしていきたい」と岡田氏は語る。