2020年12月 東京・大阪地区百貨店売上高
全国水準を下回るマイナス、入店客数35%超も減少
東京地区百貨店(12社・25店)の12月売上高は1472億円余で、前年比(店舗調整後)は15.9%減となり、前月(17.8%減)より1.9ポイント改善したものの、引き続き2桁減を強いられ15カ月連続減となった。中旬以降の新型コロナウイルス感染者数拡大の影響が大きく、入店客数も前月(35.3%減)とほぼ同水準の35.6%減となり、売上高と共に全国水準を下回った。特に衣料品の低迷(23.9%減)が足かせとなった。
3カ月移動平均値は、4~6月56.1%減、5~7月40.1%減、6~8月27.0%減、7~9月30.8%減、8~10月24.3%減、9~11月20.5%減、10~12月13.7%減。10月に4%台の減少率まで戻したことで、12月までの3カ月は10%台のマイナスまで戻している。
売上高のうち店頭(構成比89.4%)が16.9%減、非店頭が5.6%減だった。主要5品目は全てマイナスだが、細分類では家電(58.6%増)がプラスに転じ、株高を背景とした国内富裕層の需要が底堅い美術・宝飾・貴金属(4.4%増)は3カ月連続増。家電は巣ごもり需要の増加を背景に、空気清浄機、テレビ、調理家電、家族型ロボットなどが動いた。高額品ではブライダル関連が伸長した宝飾、時計などが好調だった。
12月で最も売上高構成比が高い食品は、クリスマスケーキやおせちが好調で、加えてクリスマス需要でオードブルや精肉、洋酒などが比較的健闘した。それでも菓子が2割近いマイナス(19%減)となるなど、新型コロナによる外出自粛の影響が多く、11カ月連続減だった。
主要5品目で最もマイナス幅が大きかったのが衣料品で、15カ月連続減。クリアランスの前倒しや分散開催を行ったものの、主力のコートなどの防寒衣料の動きが鈍く、加えてビジネス関連の不振とブランド撤退の影響が続いた。主力の婦人服(25.5%減)と紳士服(23.6%減)が前月に続き2割以上のマイナスで、共に15カ月連続減となった。