2024年11月19日

パスワード

軒並み2桁増、高額品とアウターがけん引

 

大手百貨店4社の10月売上高は、全て前年比で2桁増のプラス。三越伊勢丹は15.8%増、高島屋は14.9%増、大丸松坂屋百貨店は12.0%増、阪急阪神百貨店は20.1%増。9月に引き続きラグジュアリーブランドをはじめとする高額品が好調だったほか、気温低下に伴い、衣料品でコートやジャケットなどのアウターニーズが高まり売上げをけん引した。

高島屋の14.9%増には法人事業(28.6%増)やクロスメディア事業(0.9%減)が含まれており、それらを除くと14.3%増。店舗別では新宿店(47.3%増)、大阪店(19.2%増)、横浜店(12.7%増)の伸長が目立つ。同社によれば「入国規制の緩和によるインバウンド売上げの増加や、祝日の1日増により前年実績を上回った」という。免税売上げは262.9%増と前年から急増したが、コロナ禍前の19年比では34.1%減。法人事業は大口受注により前年を上回った。入店客数は9.8%増。

商品別では、家庭用品(9.8%減)、食料品の生鮮食品(0.3%減)を除いて全てプラス。中でも身のまわり品(39.9%増)が9月に続き大きく伸ばした。

三越伊勢丹は、法人外商事業やEC事業、小型店舗を含む伊勢丹新宿本店、小型店舗を含む三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店の合計が22.9%増、地域事業会社の合計が5.3%増、全体で15.8%増。同社によれば「気温低下に伴い、秋冬物が本格的に動き出し、高額品の購買意欲も高かった。伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店はアウターニーズが高まり、薄手ニットなどの実需購買が増え、売上げをけん引した」という。

商品別では呉服寝具他(4.3%減)と家電(14.1%減)を除いて全てプラス。身回り品(26.9%増)、婦人服・洋品(22.0%増)、紳士服・洋品(21.4%増)らの伸長が目立った。

大丸松坂屋百貨店は、直営店の合計が12.6%増(既存店は12.6%増)、法人・本社等が17.3%増、関係百貨店の博多大丸と高知大丸を含めた百貨店事業の合計が12.0%増(既存店は12.0%増)。前年比では東京店(26.7%増)と心斎橋店(24.8%増)の伸びが特に目立つ。入店客数は百貨店事業合計が16.5%増(既存店は16.5%増)だった。

商品別では、その他の家庭用品(0.6%減)と生鮮(6.9%減)を除いてプラス。前年比は家電(33.7%増)、サービス(23.5%増)、食堂・喫茶(22.5%増)、婦人服・洋品(22.1%増)、家具(17.7%増)の順だった。「婦人服・洋品は気温低下に伴い、コートやジャケットなどがよく動いた。ラグジュアリーブランドも前年比3割増と大きく伸ばし、紳士服・洋品もコートやセーターなどが好調だった」(同社)という。オフィスワーカーの出勤により、惣菜のランチ・中食需要の回復がみられた。

阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が22.8%増、阪神梅田本店が62.8%増、支店の合計が8.4%増、全店合計が20.1%増。支店では高槻阪急(19.1%増)、阪急メンズ東京(17.4%増)、神戸阪急(13.5%増)、博多阪急(12.1%増)が2桁増、西宮阪急(3.4%増)、あまがさき阪神(3.0%増)、川西阪急(1.3%増)、千里阪急(0.6%増)も前年を上回った。入店客数は全店計で18.6%増。

商品別は全カテゴリーがプラス。前年比では食堂・喫茶(44.4%増)、雑貨(27.1%増)、サービス(24.8%増)と続き、衣料品では紳士服・洋品(19.5%増)が最も伸びた。

(北田幹太)