2022年1月 東京・大阪地区百貨店売上高
1月前半のファッション牽引、5カ月連続プラス
東京地区百貨店(12社・24店)の1月売上高は1060億円余で、前年比(店舗調整後)は23.9%増だった。前月(11.1%増)を上回る伸長率で、5カ月連続プラス。しかも2桁伸長は3カ月連続。入店客数は31.1%増となり、前月(19.7%増)を上回る2桁伸長で、4カ月連続増。とはいえ、コロナ禍前の前々年(20年)比では売上高18.0%減(前月6.5%減)、入店客数33.4%減(同22.9%減)となり、共に前月の水準を下回り、回復傾向が鈍化した。
3カ月移動平均値は、5~7月16.3%増、6~8月1.5%増、7~9月0.4%増、8~10月0.7%減、9~11月5.6%増、10~12月9.0%増、11~1月13.9%増。秋から年末にかけて回復傾向が強まっている。
売上高のうち店頭(構成比90.0%)は25.9%増となり、前月の伸長率(12.3%増)を上回り、5カ月連続増。非店頭は8.1%増となり、前月(1.4%増)を上回る伸長率で、3カ月連続プラス。
商品別では、4カ月連続で主要5品目がすべてプラス。このうち衣料品30.0%増(前月15.6%増)、身のまわり品38.7%増(同19.4%増)、雑貨26.3%増(同12.6%増)の3品目は前月に続く2桁伸長。加えて食料品も16.4%増(同6.6%増)の2桁伸長した。「年始から月の前半は前年の時短営業や外出自粛影響など反動に加え、高額品の好調が大きく牽引した。一方、月後半はまん延防止等重点措置の適用に伴い、入店客数が減少傾向に転じた」(日本百貨店協会)。初商やクリアランスは前年より回復しているものの、セール商材不足やプレセールの実施で盛り上がりに欠けた。一方で春物や定番品などのプロパー商材は堅調だった。
衣料品では、年始から月前半まで外出機会の増加や前月同様に気温低下によって、コートやニットが動いたほか、マフラー、ストール、手袋、帽子などの防寒小物も好調だった。ただ衣料品の前々年比は29.5%減で、前月(12.1%減)よりマイナス幅が広がった。婦人服の前々年比も30.1%減、紳士服も28.4%減。身のまわり品は、新年にバッグや財布を新調する顧客ニーズが手堅く、引き続きラグジュアリーブランドが好調だった。前々年比では13.8%減まで復調した。雑貨では引き続き美術・宝飾・貴金属が好調で、前月(19.9%増)を大幅に上回る50.1%増という突出した伸長率。前々年比でも前月(25.1%増)とほぼ同水準の27.5%増だった。さらに化粧品も新作や限定品の販売が奏功し、14.7%増の2桁伸長。雑貨の前々年比も身のまわり品と同様に13.0%減まで復調した。
食料品は5カ月連続増で、前月と同様に菓子が30.2%増(前月18.7%増)、惣菜が23.0%増(同8.3%増)で牽引し、共に11カ月連続増。その他食料品が10.6%増と3カ月ぶりにプラスに転じた。外食の時間制限で再びイエナカ需要が回復し、特に和洋酒が好調だった。ただ生鮮食品は前月同様に2%台のマイナスで、8カ月連続減。食料品の前々年比は8.8%減となり、牽引した菓子が9.6%減、惣菜が10.6%減。また家庭用品の前年比は3.5%減で、他の4品目に比べ伸び率は低いものの、前々年比では5.6%減まで復調している。中でも家電は前年比が22.3%減の大幅減だが、前々年比では51.2%増となっている。