2020年5月 大手百貨店4社売上高
臨時休業の影響大きく、前月に続き大幅な減収
大手百貨店4社の5月売上高は、前月に続き新型コロナウイルス感染拡大に伴い発出された緊急事態宣言に応じ、臨時休業や営業時間短縮など営業自粛によって大幅な減収を強いられた。5月中旬から段階的に営業範囲を拡大したこともあり、前月よりもマイナス幅が縮小した。
4月が69.2%減まで落ち込んだ髙島屋(国内百貨店子会社含む)は、58.1%減まで戻った。4月8日以降、緊急事態宣言が発出された都府県の大型店舗の臨時休業(食品フロア除く)を実施していたが、5月中旬から段階的に営業範囲を広げた。27日から全店で全館営業を再開したが、大幅に前年を下回った。入店客数は4月の73.7%減から61.0%減まで戻した。前月に99.1%まで激減した免税売上高は98.7%減と前月とほぼ同水準だった。
店舗別では、5月11日から全館営業再開した岡山と高崎が他店に比べ小幅なマイナスで、郊外立地の堺や泉北、立川も比較的健闘した。クロスメディア事業はネット通販で食品などが好調で、前月(4.8%増)を大幅に上回る44.6%増。法人事業は12.7%減となり、前月(3.4%減)よりマイナス幅が広がった。
大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)も73.2%減の大幅な減収だが、前月(79.0%減)よりやや改善。前月に続き中旬まで全店舗臨時休業あるいは食品売場のみの営業を余儀なくされていたが、緊急事態宣言の段階的解除に伴い順次営業店舗を広げ、27日には全16店舗で全館再開業した。免税売上高は前月(99.3%減)とほぼ同水準の99.0%減。客数が99.7%減まで激減したが、客単価は約269%増だった。
三越伊勢丹(国内グループ計)も前月(79.2%減)の減収幅からやや改善したものの、75.8%減。16日から順次、11店舗の全館営業を再開し、25日の特定警戒都道府県の宣言解除に伴い、27日に函館丸井今井、28日に札幌丸井三越の2店舗、30日に首都圏の6店舗の全館営業を52日ぶりに再開。また三越伊勢丹オンラインは7日より再開し、売上高は2桁伸長。食品やライフスタイル関連用品が伸びた。
阪急阪神百貨店(全店)も前月(76.4%減)に比べ64.1%減まで減収幅が改善。5月14日に39県で緊急事態宣言の解除が発表され、大阪と兵庫でも商業施設の休業要請が解かれたことから、21日からほぼ全面的に営業を再開。ただ阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪、神戸阪急、阪急メンズ東京、阪神梅田本店は土日は全館休業していた。支店合計では43.9%減となり、前月(58.2%減)から減収幅が改善した。このうち大井食品館は1.2%増と前月(2.8%増)に続き増収だった。