西川、寝具のサブスク「Sleep Charge」が好評 購入前のトライアルに
西川が9月に始めた寝具のサブスクリプションサービス、「Sleep Charge(スリープ チャージ)」が好調だ。睡眠環境の改善に興味がある、購入する前に試してみたいといった客の心をつかみ、会員数は順調に推移。中でも人気ブランド「エアー」のマットレスを14日間試せる「お試しコース」は、14日間のレンタルで550円という価格設定が奏功し人気を集めている。
Sleep Chargeは、エアーのマットレスと「西川プレミアム」の羽毛掛け布団を対象としたサブスクリプションサービス。エアーは14日間試せる「お試しコース」、新品を定額でレンタルする「新品コース」、リユース品を定額でレンタルする「お手頃コース」の3種類から選べ、西川プレミアムの羽毛掛け布団は新品を定額でレンタルできる「新品コース」を用意した。
Sleep Chargeの担当者は同サービスを立ち上げた経緯について、「日本人の睡眠時間は先進国の中でもワーストクラスと言われている。睡眠というと、睡眠障害や不眠症といった医学的な文脈で語られることが多いが、〝眠り〟をもっと気軽にポジティブに活用してほしかった」と語る。
9月1日にサービスを始めたところ、会員数は11月8日時点で約400名に到達。「これをきっかけに睡眠環境を整えたい」という客が多く、睡眠を見直したいという意識はあるが、購入に踏み出せなかった客の掘り起こしに成功した格好だ。
特にエアーの「お試しコース」の人気が高く、利用者の8割超を占める。最近はコロナ禍によるイエナカ時間が増えていることから「快眠」への関心は高まっており、とりわけエアーは高機能マットレスの中でも人気のブランドだ。しかし一般的に寝具は買い替えのスパンは長いうえ、エアーは高価格帯と感じる人もいるため、購入への心理的ハードルは低くない。
同社にも以前から「公式サイトでお薦め商品の診断をしたが、本当に自分に合うのか不安」、「店頭で試してみたけれど、実際に何日か寝てみないとわからない」といった声が寄せられていた。Sleep Chargeはこうした購入の前の不安を解消する狙いもあり、担当者は「一定の評価をいただけたと認識している」と語る。
価格設定も訴求に一役買った。エアーの対象商品は「エアー01 マットレス ベーシック・ハード」(現品価格4万4000円)、「エアーSI マットレス レギュラー」(同8万8000円)、「エアーSI マットレス ハード」(同10万4500円)だが、「お試しコース」は一律でサービス利用料金が550円(送料1650円)だ。これに魅力を感じて試しに申し込んでみたという客も多い。
西川にとっては利益を出しにくい価格ではあるが、消費者に受け入れられる価格を何度も検討し、この価格に決めたという。レンタル後に新品の商品を購入する事例も多く、狙い通りの効果が表れているため、今後もこの価格を維持していく意向だ。
Sleep Chargeでは、お試しコース以外も消費者が利用しやすい価格で提供している。エアーの「新品コース」、「お手頃コース」は月払いで、新品コースは1~2年目に1650円~3918円、3年目に825円~1959円で、お手頃コースは1~2年目に1100円~2612円、3年目に550円~1306円となる。どちらも4年目以降は1年ごとに10%ずつ値下げされ、10年目以降は据え置き。
西川プレミアムの羽毛掛け布団の「新品コース」(最低契約期間3年)は対象商品の「西川プレミアム NP7052NR」が13万2000円なのに対し、月額料金は1~3年目が3300円、4年目が1650円となり、5年目以降は1年ごとに10%ずつ値下げされ、10年目以降は据え置きとなる。