「深める・拡げるー拡張する伝統工芸展」
三越は、1904年に日本初の百貨店として歩みはじめて以来、日本の文化、特に芸術を誰もが自由に楽しむことを百貨店の使命のひとつとして捉え、文化・芸術の紹介と発表の場を提供し、お客さまに「見る楽しみ」と「買う楽しみ」を提供することで文化・芸術を支援、その振興に取り組んでまいりました。
1954年には「第1回無形文化財日本伝統工芸展」を開催。文化庁、日本工芸会等の主催者と三越が一体となり継続して開催し「日本伝統工芸展」は、2021年に68回を数えました。優れた入選作品の数々を広くご紹介し、作家を支援、伝統工芸文化の継承に寄与しております。
本展は、文化庁の主催により開催されるもので、「日本伝統工芸展」とは異なる、新しい切り口での展示を試みる展覧会です。企画監修協力者として、多摩美術大学教授・工芸評論家の外舘和子氏を迎え、進化と深化を続ける伝統工芸の技に焦点をあて、その系譜や表現の多様性を紹介します。陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門から、いくつかの技をとりあげ、その技を用いた表現の拡がりを紹介。重要無形文化財保持者(人間国宝)から若手まで、卓越した技で新たな表現に挑んだ創意あふれる作品約70点を展示します。インスタレーションなどによるドラマチックな空間演出や暮らしの中でのアートをイメージできる身近さを演出した展示方法、分かりやすく親しみやすい解説で、伝統工芸の新しさを体感できる展覧会です。
百貨店を訪れる多くの方にご覧いただくことで、日本文化のすばらしさの再認識・再発見につながり、伝統工芸の持続的な発展につながることを目指しております。
【展示作品(一部)】
【出品作家】
【イベント情報】
【企画監修協力者】
外舘 和子(どだてかずこ)ー多摩美術大学教授・工芸評論家
国内外の多くの美術館・大学等で展覧会監修、図録執筆、講演。
また、韓国・世界陶磁ビエンナーレ、金沢世界工芸トリエンナーレ、伊丹国際クラフト展、
日展、日本伝統工芸展など、数々の公募展を審査。『毎日新聞』『KOGEI!』(奇数月第2日曜朝刊)、『炎芸術』『時代でたどる日本の陶芸』ほか、『陶説』『陶工房』『華道』に連載。
1955年の日本工芸会誕生から60年以上にわたり、伝統工芸は、進化と深化を続けています。日本工芸会の作家たちは、日々それぞれの技を磨き、確かな技の先に実現される様々な創意あふれる表現に挑んできました。
この展覧会では、一つの技から多様な表現が展開している現況を、七部門それぞれから幾つかの技術を取り上げ、その技術を用いた表現の拡がりを紹介していきます。ベテランから若手までを含む作家それぞれの創意、および作者と素材の真摯な対話から生まれる作品の数々によって、〈伝統工芸の新しさ〉を体感して頂く展覧会です。各作家の選んだ素材へのアプローチを通して、驚くほど豊かな作品が生まれ、それらの作品は実に躍動的な空間を生み出します。それらは、私たちの日常に、素敵な非日常をもたらす可能性をも秘めています。
外舘和子(企画監修/多摩美術大学教授・工芸評論家)
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