ココディア、1人1人の想いを込めて製作するオーダーメイドのダイヤモンド
ココディアジャパンはこのほど、ペットや家族などへの想いを込めた、記念品にも最適なオーダーメイドのダイヤモンドの提供を開始した。第1弾として今夏、ペットの被毛から抽出した炭素成分を組み込んでダイヤモンドを製作する「ココディア」シリーズをスタート。他のダイヤモンドとは異なる唯一無二の存在で、「ペットとの絆を形にしたい」というペット愛好家のニーズに応える。注文時にはリング、ネックレス、ピアス、チャームなどダイヤを付けるアクセサリーが選べ、好きな形で身に付けたり持ち歩いたりできる。クオリティも高く、商品には国際的な宝石鑑定機関である「GIA」(米国宝石学会)からの認定書が付く。現在百貨店の外商顧客をターゲットに拡販を始めており、既に今秋行った催事で何件も受注があったという。
この事業を始めた背景には、ココディアジャパン社長の曳地智氏の想いがあった。曳地氏は仙台市を拠点に生花を活用した葬儀業を営む花祭壇社の代表取締役も務め、東日本大震災を経験した。その際に、家族を亡くした遺族に、悲しみや「もっと何かできたんじゃないか」という後悔の念が葬儀の後も長く続いている姿を多く見たという。「葬儀社はお亡くなりになった方の葬儀をサポートするが、その後もご家族へ寄り添いたい」と強く感じ、生きた証を残せる方法がないかと考えた。
そこで、故人の髪の毛や遺品などから炭素を抽出しダイヤモンドにする研究を2016年に開始した。曳地氏の想いに賛同した国内の専門機関や大学教授とプロジェクトを進行。17年2月には新連携事業として経済産業省から認定された。しかし、人が亡くなるのは突然であるため、購入する対象である遺族となる人に向けて告知するのは難しい。
そこで、最近は昔に比べてペットを大切に可愛がる人が増えており、そうした人を対象に、ペットの被毛でダイヤモンドをつくる事業を考案。「ココディア」として今年スタートした。
アイテムはペット用ティアラ、リング、ピアス、ネックレス、ブレスレッド、チャームなどを用意。ダイヤモンドのカラット数も0.3ct、0.5ct、0.7ct、1.0ctの4つから選べる。ジュエリーの地金はプラチナ、18金ゴールド、18金ピンクゴールドの3種類を揃える。価格帯は40万~200万円前後。
ダイヤモンドの製作工程は、千葉工業大学工学部先端材料工学科の坂本教授が監修した。同学科は高度な専門知識と実践的な技術による未来材料の研究開発に取り組んでおり、ダイヤモンドの製作や活用についても様々な実績を持つ。製作は客の大切な〝思い出〟を預るため、自社で製造して様々なリスクの回避、納期の短縮に努める。純粋な炭素ガスを使って成長させる途中に、預かったペットの被毛や思い出の品などの炭素源から抽出した炭素を結合させることで、唯一無二のダイヤモンドが生成される。純度は天然のものと比較しても劣らないという。
完成したダイヤモンドはGIA(米国宝石学会)の鑑定後、鑑定書が作られる。ダイヤモンドは1つ1つシリアルナンバーが刻印される。自社ではなく第三者による鑑定のため、品質への信頼度は高い。また技術面でも、「当社のダイヤモンド製造は『異分野新連携事業』として経済産業省東北経済産業局から認定を受けている。製造工程のレポートを随時報告・評価されているため、技術は保証されている」と曳地氏は説明する。
実際の受注から納品までは、およそ2カ月を要する。まず催事や店頭などでオーダーが決定した後、被毛を採取するためのキットを客へ手配。キットが送られたら、同社のラボで原石を製作。その後専門の業者がカッティングやジュエリーの加工を行う。完成した商品は化粧箱に入れ、製作過程の写真やGIAの鑑定書、同社のレポートが記載された小冊子も付く(11月末日時点)。
ターゲットは富裕層に定め、百貨店の外商を主な販路とする。「ココディアのダイヤモンドは単にお金を出せば手に入るモノではなく、お1人お1人の気持ちを形に変える完全オーダーメイドのダイヤモンド。新しいコンテンツとして提供できる」と曳地氏は考え、アプローチした百貨店も同様の期待を寄せているという。百貨店の外商部員は顧客の家庭事情に詳しいため、適切な顧客に提案できるという強みを持つ。また、百貨店は長年ペット関連のアイテムの取り扱いが少なかったが、ペットマーケットは近年拡大する一方であり、ペットカテゴリーの開拓のきっかけとなるというメリットもある。
既に大丸松坂屋百貨店は催事での取扱いを始めており、8月に松坂屋静岡店の外商催事「ゴールド会」と大丸京都店のポップアップイベント、10月には外商催事「貴賓会」の大阪会場で販売。成約もあった。その際に印象的だったのが、「成約したお客様は、こちらから積極的にアプローチをする前に『被毛はどこに持っていけばいいの?』と聞いてくる方もいるほど、非常に乗り気だった」(曳地氏)という。ペット愛好家はペットへの思い入れが強いため、ココディアのダイヤモンドを気に入るだろうという曳地氏の予想が的中した格好だ。
これに手応えを掴んだ曳地氏は「ターゲットとしているお客様がココディアの存在を知れば、きっと興味を示してくれる。まだ大半の方が知らないため、まず認知度の向上が不可欠だ」と今後の指針を示す。現在はほかの大手百貨店と取り扱いに向けた折衝を重ね、販路拡大に努める。
百貨店が主な販路ではあるが、直営のインターネット通販サイトも今年1月に開設。対面販売と同様にアクセサリーやカラット数、地金などのカスタムに対応でき、ダイヤモンドの品質や注文方法、品揃えなどについても詳細に説明されている。
ペット以外の事業として、家族との記念日やブライダルといったオケージョン向けの「トコシエ」シリーズも近日開始を予定する。結婚を控えるカップルの毛髪などを使用して作成する婚約指輪、子供のへその緒を用いた子供へのプレゼント、結婚10周年、20周年など、様々な家族の記念に寄り添うダイヤモンドを提案する。
「ココディアのダイヤモンドは、想いや絆が詰まった全く新しいモノ。ご家庭ごとにあるストーリーを形にして、ずっと手元に置いておける。多くのお客様にある潜在的な需要を掘り起こし、応えていきたい」と曳地氏は語る。
株式会社ココディア ジャパン
〒108-0075 東京都港区港南1-9-36 アレア品川ビル13F
Tell:03-4405-1330
Mail:dia@cocodia-japan.co.jp
公式ホームページ:https://cocodia-japan.co.jp/