2024年11月19日

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2020年9月 SC・チェーンストア・コンビニ売上高

■SC 21.6%減も、中心地域のテナントで回復の兆し

日本ショッピングセンター協会が調査した9月の既存SC売上高前年比は21.6%減となり、前月(18.8%減)よりも2.8ポイントもマイナス幅が広がり、12カ月連続減だった。同協会では「新型コロナウイルスの影響に加え、前年が消費増税前の駆込み需要で8.3%増と大幅なプラスだった反動が見られた」と総括している。

テナントとキーテナント別では前者が健闘。テナントは前年比21.9%減だが、前月と比較すると0.8ポイント減でとどまった。自粛緩和の機運が高まり、19日からの4連休で人出が増え、下旬にかけて気温低下に伴う秋物に動きが見られたことから、中心地域に立地するSCでは回復傾向が見られた。

一方のキーテナントの前年比は20.4%減となり、テナントに比べマイナス幅はわずかに小幅だが、前月よりも11.4ポイントもダウンした。前年に好調だった化粧品や貴金属などを揃えている百貨店、並びに家庭用品の買い溜めによって好調だったGMSが反動減により大きく落ち込んだ。

立地別・地域別では、全9地域のうち、北海道、関東、中国の3地域を除く、6地域で前月のマイナス幅よりも小幅に改善し、全国的に回復の兆しが見受けられた。

業種別の動向では、販売席数を増やしたシネマが回復傾向に転じた。お彼岸が4連休と重なったお彼岸需要の生花も好調だった。一方で、高額商品、化粧品、コンタクトレンズなど前年に駆込み需要の恩恵を受けた商材の反動減が目立った。

 

■チェーンストア 5カ月ぶりのマイナスも、食品は堅調 9カ月連続増に

日本チェーンストア協会が調査した9月のチェーンストア総販売額(56社・1万851店)は、1兆150億円余で、店舗数調整後の前年比は4.6%減となり、5カ月ぶりにマイナスに転じた。主力の食品は引き続きプラスで、9カ月連続増だったものの、衣料品と住関品が二桁以上のマイナスで足かせとなった。ただ、1月から9月までの累計売上高前年比は0.4%増で、食品(構成比69%)が5.2%増でけん引している。テレワークなどによる内食化需要の高まりと農産品の相場高などが続いた。

食品は農産品、畜産品、水産品が好調で、店舗数調整前は3品目共に二桁伸長している。農産品では野菜類がカット野菜含めて概ね好調。畜産品も牛肉、豚肉、鶏肉共に好調で、鶏卵やハム・ソーセージも順調な売れ行きだった。水産品は刺身や干物が概ね堅調。ただ、惣菜が唯一のマイナス。弁当や寿司の動きは堅調だったものの、温惣菜や要冷惣菜共に低調だった。

対して衣料品が2割以上のマイナス。外出自粛に加え、催事の中止や季節衣料の苦戦が響いた。1月から9月までの累計でも20.5%減となり、不振が続いている。

住関品は前年に家電製品などに消費増税前の駆込み需要があり、その反動減の影響が大きい。医薬・化粧品、日用雑貨品なども伸び悩んだ。ただ住関品の9月までの累計では2.7%減のマイナスにとどまっている。

 

■コンビニ 全店・既存店共に7カ月連続減も、平均客単価は12カ月連続増

日本フランチャイズチェーン協会が調査したコンビニエンスストアの9月売上高は、全店(7社・55852店、店舗数前年比0.4%増)が9059億円余、前年比3.1%減となり、前月(5.5%減)よりもマイナス幅がやや改善したものの、7カ月連続減。既存店は8667億円余、同3.0%減となり、全店同様に前月(5.5%減)よりも改善したものの、7カ月連続減だった。

同協会では「降水量が多かったことや、在宅勤務や外出自粛などが続いたことが来店客数に影響を及ぼしたため」と総括している。

来店客数は全店が10.6%減で、既存店が11.1%減となり、共に前月(全店9.6%減、既存店9.3%減)よりもマナナス幅が広がり、7カ月連続減となった。

対して平均客単価は前年実績を上回り、かつ前月よりも上昇した。全店が8.3%増の683円超、既存店が9.0%増の686円超となり、共に12カ月連続プラスだった。たばこ税増税前の駆込み需要に加え、生鮮食品、惣菜、冷凍食品、スイーツ、酒類、マスクなどの衛生用品が好調に推移したため。