2019年11月大手百貨店3社 回復基調も連続減収 高額品と免税が伸び悩む
大手百貨店3社の11月売上高は、土曜日1日増のプラス与件もあり、消費増税前の駆け込み需要の反動減を強いられた前月よりも減収幅が改善されたものの、いずれも減収だった。高額品が苦戦し、増税前の恩恵が大きかった大都市基幹百貨店も伸び悩んだ。
前月18.9%減だった髙島屋は4.8%減まで回復。入店客数も前月の8.3%減から0.8%減まで戻した。大型店では日本橋、横浜、京都が比較的健闘し、郊外店は玉川や柏が小幅なマイナスに止めた。地方都市では食品が好調だった岐阜が、髙島屋国内グループ百貨店で唯一の増収を遂げた。免税売上高は前年比13%減となり、前月(16.9%減)に続き二桁減。前月も増収(3.2%増)だったクロスメディア事業も3.9%減だった。
前月が18.7%減(関係百貨店含む)だった大丸松坂屋百貨店は8.8%減まで戻し、新本館開業で賃貸面積が拡大した大丸心斎橋を除くと、8.2%減。心斎橋の売上高前年比は13.1%減だが、取扱高は強化した特選、化粧品などが牽引して前年と同水準で、入店客数は10.7%増。大丸松坂屋の免税売上高は前月のマイナス(14.9%減)から0.6%増に回復。主要五品目は全て減収だが、9~11月累計では雑貨が13.7%増の二桁を堅持している。
前月が21.0%減だった三越伊勢丹(国内グループ計)は10.2%減だが、9月末に閉店した伊勢丹相模原と府中を除く既存店比では7.3%減。前月が20.5%減だった基幹3店舗合計の前年比は7.6%減まで回復。基幹3店舗の商品別では雑貨と衣料品が二桁減だが、食料品が1.6%増まで復調した。