「ポール・スチュアート・ゴルフ」 グリーンでクラス感を演出するアイテム
今秋に本格デビューした「ポール・スチュアート・ゴルフ」が好調だ。一般的なレジャーウエアとは一線を画すクラス感のあるデザインが、ポール・スチュアートの顧客層である、ゴルフを趣味や社交の場として楽しむ人からの支持を得ている。来春夏には、新デザインのウエアや雑貨を投入する。
同ラインは、「CLASSIC(品質と普遍性)」、「CLASS(上質と洗練性)」、「COMFORT(機能と快適性)」をコンセプトに、今年4月にメンズをスタート。今年9月にはレディースアイテムを追加して本格的に始動した。滑り出しは好調で、担当者は「売れ行きは順調に推移している」と語る(11月8日時点)。
ゴルフはスポーツとしてだけでなく、ビジネスにおける社交の場として使われる機会も多い。同ブランドの顧客は、元々ゴルフを趣味とするエグゼクティブクラスが多い。「(顧客にとって)親和性があり、唐突感がなくすんなり受け入れてもらえる」(担当者)ことも、プラス要因だ。
デザインは、シンプルでベーシックなものに加え、同ブランドのアイコンである「MAN ON THE FENCE」の図柄と、シンボリックな寄木細工の柄を表現した「PARQUET PATTERN」(通称、パケ柄)を取り入れた商品も展開する。
デザインの打ち出しに加え、プレイヤーのための着心地を重視した緻密なパターン設計にもこだわった。アドレスからスイングまでの一連の動きや、プレイ中の動作にストレスがかからない立体的なパターンが、随所に生かされている。
ポロシャツはスイングシーンをイメージし、脇の部分が接ぎではなく1枚の布で仕立てられている。一般的なポロシャツは前身頃と後ろ身頃の布が半々の分量で縫製されているが、ゴルフでは前傾姿勢になることから後ろ身頃の幅を広く取って仕上げた。パンツは膝部分にダーツを入れ、膝が曲がった状態でもストレスのないフィット感を重視。きれいなシルエットが保てるよう工夫した。自身もゴルフを楽しむ担当者は「ゴルフは“歩くスポーツ”なのでパターンにこだわった」と話す。自宅での手入れもしやすい素材で、UVカットや吸水速乾機能も備える。
来春夏は、メンズとレディースで各15型程度を投入。人気のポロシャツをはじめ、ベストやパンツ、ブルゾン、レディースのキュロットなどを取り揃える。バッグやシューズケース、キャップやベルトなどの雑貨は25~30型を用意する。
人気の高いモノトーンを基調にしたアイテムは、新たにダークパープルをアクセントカラーにした商品を展開。上品で落ち着いた印象を後押しする。新しいレディースのアイテムは、広々としたゴルフ場という非日常的な場所で高揚感を得られるデザインを意識した。
価格は、ポロシャツが1万8000円~2万9000円、ボトムが2万5000円~3万3000円、ブルゾンは3万3000円となる。一般的なゴルフウエアと比べて高価格帯だが、機能性とデザイン性で付加価値を与え、様々なゴルフシーンで高い満足度を得られるようにする。今後は贈答用のカテゴリーへの成長も目指す。
同ブランドの足元の業績は堅調だ。9~10月の累計売上高は前年比約135%で、11月も順調に推移している。本格始動したゴルフラインは追い風となりそうだ。
(中林桂子)