伊勢丹新宿本店、初の親子向けフェムテック催事 性教育や産前産後のケア
伊勢丹新宿本店は3月30日~4月12日、親子を対象としたフェムテックイベントを初めて開催する。産前産後の母親の身体のケア方法や子供への性教育、デリケートゾーンやプライベートゾーンについてのセミナーを行う。ズームを通じたオンライン上と、本館6階のイベントスペース「センターパーク」で実施。同スペースではデリケートゾーンのケア用品なども販売する。
「センシュアル・ライフ produced by WOMB LABO~親から子供へ伝える大事なカラダのこと~」は、セレクトショップ「WOMB LABO」を運営するサンルイ・インターナッショナルと共同で企画。同店は昨年3月に、20~40歳の女性を対象としたフェムテック催事を同社と組んで開催し、三越日本橋本店、新潟伊勢丹と開催の場を広げてきた。親子向けのイベントは今回が初となる。
今回のイベントは、性教育の重要性が最近認識され始めていることから企画した。担当するクロージング&アクセサリーⅠグループマーチャンダイジング部子供雑貨1アシスタントマーチャンダイザーの山下真里佳氏は、「私自身も子育てをするようになり、幼いうちから教えたいと強く感じるようになった」と話す。
セミナーは全4種類。妊娠した女性とそのパートナーを対象にした「パートナーとも学べる!産前産後のカラダの変化とセルフケア」(参加費2200円)は、妊娠期のセルフケアの方法、その後の身体の調子を整えるためのヒントなどを伝える。4月3日にオンラインで行う。
子供を持つ親向けの「親からこどもへ伝える大事なカラダのこと」(無料)は、幼児~中学生までの子供がいる保護者を対象に、産婦人科医の松峯寿美氏と、植物療法士の森田敦子氏が、子供への性教育の伝え方について語る。4月9日にオンラインで開催する。
店頭では、子供を対象にしたワークショップを行う。「ぼくのわたしの大切なカラダ」(無料)は、紙芝居や人形を使い、「プライベートゾーン」、「デリケートゾーン」を知ることで自分の身体を知り、自分をどのように大切にしたら良いかを学べる。3月30日、4月2日、4月10日の計3回、「センターパーク」で実施。参加対象者は3歳~小学生低学年で、未就学児には保護者が同伴する。
体に変化を迎える女子に向けては、「おとなへの一歩を迎える女の子たちへ」(無料)を開催。8歳~中学生頃の女の子とその保護者を対象に、身体の変化とそのケア方法を具体的にレクチャーする。3月31日に伊勢丹会館2階で、4月9日にオンラインで行う。
23日からイベントの告知と予約の受け付けを始めたところ、予約は順調に入っているという。特に性教育について学べる「親からこどもへ伝える大事なカラダのこと」の人気が高く、最大参加人数が80組にも拘わらず、3月30日時点で約8割が埋まった。山下氏は「今の保護者世代は性教育への関心が高いが、自分は親から性教育をあまり受けていないというギャップがあり、『伝え方を知りたい』ニーズが高いようだ」と述べる。
イベントスペースでは、マタニティケアアイテムや子供も使えるデリケートケア用品、インナーなどを販売。また、初潮を迎える女子向けに、ショーツとサニタリーパッド、デリケートゾーン用ソープとオリジナルリーフレットをセットにした限定キットを用意した。
今回の催事は、顧客接点の拡大も狙いにある。百貨店のベビー・キッズ売場はマタニティからベビー、トドラーに掛けては商品が充実しているが、ジュニア以降は品揃えが手薄なため、今まで良好な関係を築いてきた顧客が離反してしまうケースも少なくない。フェムテックを通じて客のQOLを高めると同時に、関係性の維持、向上に努める。今後は「具体的なことは未定だが、継続的に行いたい」(山下氏)考えだ。