東武船橋店、生鮮グロサリー売場を改装 船橋の産品を増やし地域密着を深化
東武百貨店船橋店は11日、地下1階の生鮮・グロサリー売場を改装オープンした。名称は「FUNABASHI いちばんち市場」。鮮魚、精肉、惣菜の新ショップを導入し、菓子売場の移設、酒コーナーの新設などによって品揃えを豊富に揃えた。特に船橋市や千葉県産の商品を充実させ、地域密着色を強化。レジの台数を増やす、通路を拡大するなど環境も整備した。
同店は19年秋の惣菜売場の改装後から生鮮売場のリニューアルを計画していたが、コロナ禍の影響で一旦休止。約1年前からオープンに向けて再始動していた。
新たにオープンしたのは、鮮度の高い魚介を揃え、調理加工も行う「魚力」、尾張地方の老舗の精肉店「スギモトグループ」の「お肉の専門店スギモト」、惣菜や弁当などを揃える「いい菜&ゼストプラス」の3店。惣菜は隣の惣菜売場にも多く取り揃えるが、生鮮・グロサリー売場内に配置することで「ついで買い」を促す。さらに菓子の「全国銘菓撰」を4番地からレジカウンターの横に移し、酒コーナーも新たに設け、幅広いカテゴリーを集積。ワンストップで買い物ができるようにした。
今回のリニューアルでは、「地域密着」も重点的に意識した。「北野エース」では「船橋にんじんドレッシング」や「森傅」の海苔、お肉の専門店スギモトでは「恋する豚研究所」を販売するなど、各店で県産品を充実。酒コーナーでは「ふなばしエール」をはじめとする地ビールも揃える。
「丸あ商店」、「厚生水産」は地元に根差した企業であることをPRするため、店名を「船橋 丸あ商店」、「木更津 厚生水産」に変更。品揃えも千葉県や船橋市のものを増やし、特に船橋 丸あ商店は船橋産の野菜のコーナーを設けた。
商品以外にも、各所で”船橋らしさ”を演出する。売場へ向かう階段や売場の壁面には、船橋市在住のイラストレーター・小倉正巳さんによる船橋の風景が登場。今後もイラストを増やし、絵本のようなストーリー展開を予定するという。各店の内装にも船橋に関するモチーフを用いており、九州屋の看板や、お肉の専門店スギモトの什器には、船橋ゆかりのカザグルマ、ヒマワリ、サザンカを描いた。レジ番号札には千葉県産のナラの木材を使用する。
快適に買い物ができるよう、環境の整備も行った。レジ数は6台から10台に増やし、会計の待ち時間を削減する。通路は2.4mから2.6mに拡大し、ベビーカーや車椅子の客も利用しやすくした。買い物かごとカートは、スーパーメイト社のSIAA認証の抗菌・抗ウイルス加工のものを導入した。
FUNABASHI いちばんち市場という名称の由来は、かつて船橋駅前にあった民営の魚市場による。同店によると、船橋駅前に構える東武船橋店が、かつての市場のように地域・沿線に暮らす人々の毎日の食卓を豊かに彩る場であり続けたいという想いから、「市場」と名付けたという。生鮮・グロサリー売場が位置する「1番地」や「いちば」、「ちば(千葉)」、「いちばん」などの語呂も合わせ、「いちばんち」というひらがな表記にした。