レナウン、民事再生手続きを開始
レナウンは5月15日、東京地方裁判所から再生手続開始決定と管理命令を受け、民事再生手続きに入った。負債総額は約138億円。管財人には永沢徹弁護士が選任された。近年の経営不振に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による売上げ悪化が決定打となった。今後は管財人の下でスポンサーを探し、グループの事業の維持、再生に取り組むという。
レナウンは1902年創業。現在は「ダーバン」、「アクアスキュータム」、「アーノルドパーマー タイムレス」、「シンプルライフ」、「エンスウィート」、「インターメッツォ」などを主力ブランドに持つ。百貨店や量販店を対象に衣料品の製造、販売を手掛けていたが、バブル崩壊以降は業績が低迷。特に昨年は消費増税による反動減、夏季の台風による店舗休業、暖冬による防寒衣料の不振などにより、主力販路である百貨店が苦戦していた。親会社の山東如意科技集団有限公司の子会社である恒成国際発展有限公司の売掛金の回収が滞ったことも拍車をかけ、2019年12月期(2019年3月~12月、決算期の変更により変則)は約83億円の営業赤字となった。
さらに今年3月以降、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛や商業施設の臨時休業によって売上げが著しく減少。5月中旬以降に支払期限が来る債務の返済の目途が立たず、民事再生法適用を申請した。
東京証券取引所はレナウン株を「整理銘柄」に指定し、6月16日に上場を廃止すると発表した。各子会社では、民事再生手続きなどの法的整理は予定していない。