2024年11月19日

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2021年5月 SC・チェーンストア・コンビニ売上高

ショッピングセンター 3カ月連続増も、前々年比は3割超の減

日本ショッピングセンター協会が調査した5月の既存SC売上高前年比は、前年が緊急事態宣言発令に伴う自主休業を実施した反動で、前月(141.2%増)に続き70.1%増という高伸長率を遂げ、3カ月連続増だった。しかしながらコロナ禍前の前々年比では33.2%減となり、5月12日以降に10都道府県に緊急事態宣言が拡大された影響もあり、前月(24.8%減)よりさらに悪化した。

立地別では、中心地域が119.9%増、周辺地域が57.5%増だったが、前々年比では順に45.2%減、27.8%減となっており、広域商圏の中心地域の苦戦傾向が続いている。構成別ではテナントが100.5%増だったが、生活必需品対象外のテナントが多かったため、前々年比では36.8%減。

立地別・地域別では、北海道が253.4%増という突出した伸長率だったが、16日の緊急事態宣言発出にともなう土日祝日の休業要請を受けた結果、前々年比では50.2%減となり、近畿に次ぐ落ち込み。この近畿は10.6%減で、大阪や兵庫、京都の緊急事態宣言の期間が前年より長かった影響が表れた。

都市規模別・地域別では、大都市が80.2%増、その他地域が64.7%増だったが、前々年比では順に42.5%減、26.3%減で、全国的に大都市の厳しさが続いている。

業種別の動向では、前月に続き時短営業に加え酒類の提供が禁止された飲食店舗の厳しさが目立った。

チェーンストア 3カ月連続増、食料品が4カ月ぶりプラス

日本チェーンストア協会が調査した5月のチェーンストア総販売額(56社・1万1819店)は、1兆1201億円余で、店舗数調整後の前年比は2.9%増となり、前月(6.0%増)よりプラス幅は鈍化したものの、3カ月連続増となった。前月と同様に、前年の緊急事態宣言にともなう営業自粛の反動で衣料品と住関品が高い伸びを見せた。加えて前月がこの反動でマイナスだった食料品が、緊急事態宣言の延長と内食化傾向の定着によって再びプラスに転じた。

構成比で69%超を占める食料品は0.5%増となり、前月のマイナス(3.2%減)から復調し、4カ月ぶりにプラスに転じた。新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い内食化需要の高まりが続いているものの、畜産品と農産品、その他食品が引き続きマイナスだったが、惣菜が15.5%増、水産品が1.8%増でけん引した。惣菜では揚げ物、スナック、中華、焼鳥、弁当、寿司が好調だった。水産品は刺身盛り合わせ、まぐろ、かつお、サーモンなどが概ね好調だった。畜産品は牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵、ハム・ソーセージが総じて苦戦した。

住関品は7.4%増となり、前月(16.2%増)より伸長率は鈍化したものの、3カ月連続増。前月と同様に家電製品(23.9%増)とその他(45.5%増)がけん引。家電では液晶テレビ、洗濯機、炊飯器、掃除機、除湿器、空気清浄機、パソコン関連などが好調だった。その他では、スポーツウエア、アウトドア用品、ペット用品、アシスト自転車、スポーツサイクル、花き類などの動きが良かった。

衣料品は前月同様に前年の反動増が最も顕著で、9.7%増となり、3カ月連続増。特に紳士服(12.7%増)と婦人服(15.5%増)が2桁伸長。紳士服ではスーツ、スラックス、ドレスシャツ、カジュアルシャツ、ポロシャツ、Tシャツなどが堅調。婦人服ではスーツ、スラックスなどが好調だった。

 

コンビニ 全店・既存共に3カ月連続増、客単価は2カ月連続減

日本フランチャイズチェーン協会が調査したコンビニエンスストアの5月売上高は、全店、既存店共に3カ月連続プラスだった。全店(7社・5万5889店、店舗数前年比0.2%増)が8924億円余、前年比5.0%増で、既存店は8537億円余、同4.2%増だった。

同協会では「前年の緊急事態宣言の反動などにより来店客数が増加し、生鮮食品、米飯類、パン類、カウンター商材、ソフトドリンク、さらにマスクなどの衛生用品や玩具などが好調に推移した」と総括している。

来店客数は全店、既存店共に2カ月連続増。全店が6.4%増(前月8.8%増)、既存店が5.5%増(同7.8%増)だった。

対して前月に19カ月ぶりにマイナスだった平均客単価は全店、既存店共に2カ月連続減。全店が1.3%減の687円超(前月0.8%減、680円)、既存店が1.3%減の690円超(同1.1%減、682円超)となり、前月よりマイナス幅が広がった。