ワコール、ブランド編成を大幅見直し、新ブランド「Yue」は8月デビュー
ワコールは今秋からブランド編成を大幅に見直す。基幹ブランドを9つに集約。19年春夏シーズンは56であった「パルファージュ」、「ルジェ」など同社が「構成ブランド」と呼ぶグループを21年秋冬シーズンには37まで削減し経営資源を集中させる。百貨店ブランドと呼ばれていた高価格帯の3ブランドも新ブランド「Yue(ユエ)」へと集約する。
基幹ブランドとなるのは「ワコール」、「ウイング」、「ユエ」、「サルート」、「ワコールサイズオーダー」、「アンフィ」、「ワコールリマンマ」、「ワコールメン」、「CW-X」の9ブランド。従前のブランドが乱立している体制では、投資が分散し顧客までうまくアプローチしきれず認知度が上がらない原因となっていたという。
集約されるブランドの中で百貨店をメインの販路としていた「スタディオファイブ」、「ワコールディア」、「トレフル」、「ワコールディア」については、8月にデビューする新ブランド「Yue(ユエ)」へと集約する。ブラジャー、ショーツ、ランジェリー、アウターウェアを中心とした商品構成で、ブラジャーの価格帯は1万1000円~3万3000円。全商品の6~7割を定番商品とし、残りはシーズンで入れ替えるアイテムで構成する。全国92店舗での展開が決定しており、その中の約60%が百貨店だ。25年3月期に50億円の売上げ、EC比率30%を目標とする。ECは近く、特設のバーチャルチョップを用意し世界観を表現したサイトとする。
ユエは従来のコト消費による物質的な満足感から「日常をより豊かに過ごすこと」や、「体験を重視すること」へ消費者の価値観は変化している中で、新しい時代に求められている日常を豊かにするここちよさの提供に向けて企画された。「ここちよさと洗練を極め、新たな時代に生きるお客様一人ひとりの価値観に寄り添い、それぞれの日常をより豊かにしていくこと」をブランド・パーパスとしている。ブランド名は物事の理由を表す由縁(ゆえん)から着想。素材・技法・サービスすべてにおいて納得する理由があるという意味が込められている。