2021年4月 SC・チェーンストア・コンビニ売上高
SC 2カ月連続増も、前々年比で24.8%減
日本ショッピングセンター協会が調査した4月の既存SC売上高前年比は、前年4月が緊急事態宣言の発令に伴う自主休業を実施した反動で、141.2%増となり、18カ月ぶりにプラスに転じた前月(12.5%増)を大幅に上回る伸長率だった。ただ、同協会によると「コロナ禍前の前々年比では24.8%減で、依然として厳しい状況が続いている」状況だ。
立地別・構成別では、中心地域が210.9%増(前月11.1%増)で、周辺地域が121.3%増(同13.1%増)となった。ただ、前々年比では中心地域が33.6%減、周辺地域が20.6%減となり、広域商圏の中心地域の苦戦傾向が続いている。
立地別・地域別では、全9地域のうち、北海道(118.3%増)、関東(175.7%増)、中部(143.3%増)、近畿(109.0%増)、九州・沖縄(135.9%増)の5地区が3桁の伸長率で、いずれも前年に大幅なマイナスを強いられていた地区。
都市規模別・地域別では、大都市が165.7%増、その他地域が127.7%増。前々年比では大都市が30%超のマイナスで、その他地域(約20%減)に比べ、全国的に大都市の厳しさが続いている。
業種別の動向では、時短営業に加え酒類の提供が禁止された飲食店舗の厳しさが目立ち、月後半からの大型連休で営業できなかったシネマなどのサービス店舗への打撃も大きかった。
チェーンストア 2カ月連続増に、衣料品と住関品が高伸長
日本チェーンストア協会が調査した4月のチェーンストア総販売額(56社・1万1804店)は、1兆815億円余で、店舗数調整後の前年比は6.0%増となり、前月(1.3%増)に続き2カ月連続プラスとなった。前年の緊急事態宣言に伴う営業自粛の反動で衣料品と住関品がけん引した。ただ、対照的に主力の食料品はその反動で前月に続きマイナスだった。
食料品は3.2%減となり、前月(0.8%減)を上回るマイナス幅で、3カ月連続減。新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い内食化需要の高まりが続いているものの、畜産品と農産品、その他食品が足かせとなった。畜産品は牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵、ハム・ソーセージが総じて苦戦した。農産品はキャベツ、白菜、大根、人参、きのこ類などが、果物でりんご、バナナ、ドライフルールなどが苦戦。その他食品は前月とほぼ同じく食パン、牛乳、ヨーグルト、米、パスタ、冷凍食品、インスタント麺などが苦戦した。
住関品は16.2%増となり、前月(5.9%増)を上回る伸長率で、2カ月連続増。前月と同様に家電製品(52.6%増)とその他(58.8%増)がけん引。家電では冷蔵庫、液晶テレビ、ブルーレイレコーダー、空気清浄機、扇風機などが好調だった。その他では、レジャー用品、花き類、スポーツウエア、ペット用品、スポーツサイクルなどの動きが良かった。
衣料品は前年の反動増が最も顕著に表われた。74.3%増の伸長率で、2カ月連続増。特に紳士服(104.9%増)と婦人服(93.5%増)が高伸長。紳士服ではスーツ、フォーマル、ドレスシャツ、カジュアルシャツ、ポロシャツなどが堅調。婦人服ではフォーマル、スーツ、スラックス、シャツブラウス、ニットなどが堅調だった。
コンビニ 全店・既存共に2カ月連続増、客単価が19カ月ぶり減に
日本フランチャイズチェーン協会が調査したコンビニエンスストアの4月売上高は、全店(7社・5万5868店、店舗数前年比0.2%増)が8821億円余、前年比8.0%増となり、前月(2.4%増)の伸長率を上回る2カ月連続増となった。既存店は8425億円余、同6.6%増となり、全店同様に2カ月連続増かつ前月(1.9%増)を上回る伸長率だった。
同協会では「前年の緊急事態宣言の反動などにより来店客数が増加し、生鮮食品、米飯類、ソフトドリンク、酒類などが好調に推移した」と総括している。来店客数は全店が8.8%増(前月2.9%減)、既存店が7.8%増(同3.5%減)となり、共に14カ月ぶりにプラスに転じた。
対してこれまで伸び続けてきた平均客単価は全店、既存店共に19か月ぶりにマイナスに陥った。全店が0.8%減の680円(前月5.5%増、681円超)、既存店が1.1%減の682円超(同5.6%増、684円超)となり、前月と同水準の単価を堅持した。