2021年3月 SC・チェーンストア・コンビニ売上高
SC 18カ月ぶりのプラスも、前々年比では2割減
日本ショッピングセンター協会が調査した3月の既存SC売上高前年比は、前年3月が営業時間短縮や外出自粛によって大きく落ち込んだ反動で、12.5%増となり、全国百貨店と同様に2019年9月以来、18カ月ぶりにプラスに転じた。前月(13.4%減)の2桁減から大幅に改善し、特に前年3月の落ち込みが大きかったテナント(14.3%増)がキーテナント(5.7%増)の伸び率を上回った。ただ、同協会では「コロナ禍の影響を受けていない前々年比では約20%減となり、厳しい状況が続いている」という判断だ。
立地別・構成別では、中心地域が11.1%増(前月24.5%減)で、周辺地域が13.1%増(同8.2%減)となった。しかしながら前々年比では、大都市が約30%減、中都市が約20%減、周辺地域が約15%減となり、コロナ禍前の水準まで回復していない。
また、立地別・地域別では、全9地域がプラス。このうち北海道は前年が45%超も落ち込んでいたこともあり、30.7%増と最も高い伸長率だった。
業種別の動向では、2月に続き暖かい日が多かったこともあり、春物商材の動きがみられたアパレルが堅調だった。また、21日まで緊急事態宣言が継続されていた1都3県では宣言解除に伴い飲食店の夜の時間帯の集客が改善した。
チェーンストア 再びプラス、住関品と衣料品がけん引、食品は連続減
日本チェーンストア協会が調査した3月のチェーンストア総販売額(56社・1万1789店)は、1兆906億円余で、店舗数調整後の前年比は1.3%増となり、前月(2.1%減)のマイナスから再びプラスに転じた。前月まで伸び悩んでいた衣料品と住関品がプラスとなり、対照的に主力の食料品は前月(0.3%減)に続きマイナスだった。
食料品は0.8%減となり、2カ月連続減。新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う緊急事態宣言の再発出による内食化需要の高まりが続いているものの、畜産品とその他食品が足かせとなった。畜産品は牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵、ハム・ソーセージが総じて苦戦した。その他食品は、食パン、牛乳、ヨーグルト、米、パスタ、冷凍食品、インスタント麺、乾麺などが苦戦した。ただ店舗数調整前では前月(4.6%増)と同じく3.7%増のプラスを堅持した。
住関品は前月(4.9%減)のマイナスから5.9%増のプラス。中でも家電製品とその他がけん引した。家電では冷蔵庫、液晶テレビ、セラミックヒーター、掃除機、調理家電、炊飯器、空気清浄機、照明器具、乾電池などが好調だった。その他では、アウトドア商品、スポーツサイクル、ペットフード、スポーツウエアなどの動きが良かった。
衣料品は春物に動きが見られ6.7%増で、全ての品目がプラス。特に婦人服が2桁伸長(12.3%増)した。前月に続きテレワークや外出自粛によるビジネス関連商品の動きが鈍かったものの、カジュアルパンツ、カットソー、Tシャツ、ボトムなどが好調だった。
コンビニ 全店・既存共に13カ月ぶりにプラス、客単価は18カ月連続増
日本フランチャイズチェーン協会が調査したコンビニエンスストアの3月売上高は、全店(7社・5万5828店、店舗数前年比0.2%増)が8982億円余、前年比2.4%増となり、前月(6.2%減)のマイナスから改善し、13カ月ぶりのプラスとなった。既存店は8617億円余、同1.9%増となり、全店同様に前月(5.3%減)のマイナスから13か月ぶりにプラスに転じた。
同協会では「4都県で緊急事態宣言が延長されたことなどにより外出自粛や在宅勤務が続き、来店客数に影響を及ぼしたものの、生鮮食品、惣菜、寿司、冷凍食品、デザート、酒類、マスク、玩具などが好調に推移したことによる」と総括している。来店客数は全店が2.9%減(前月13.6%減)で、既存店が3.5%減(同12.3%減)となり、共に前月の2桁減から改善したものの、13カ月連続減だった。
対して平均客単価は前月同様に全店、既存店共に前年実績を上回り、18カ月連続プラス。全店が5.5%増の681円超(前月8.5%増、691円超)、既存店が5.6%増の684円超(同645円超、8.0%増)。全店、既存店共に前月に比べ伸長率は下がったものの、引き続き高い伸びで推移。生鮮食品、惣菜、冷凍食品、デザート、酒類などが好調で、単価増につながった。