高島屋横浜店、婦人服の自主編集売場でトイカメラに好反応
高島屋横浜店が、3階に構える婦人服の自主編集売場「スタイル&エディット」で、27日に取り扱いを始めたデジタルトイカメラ「Paper Shoot(ペーパーシュート)」の売れ行きが良い。基板やカバー、レンズなどを自分で組み立てられる楽しさと、各国で数々の賞を獲得した高いデザイン性、厚さが約12ミリメートル、重さが80グラムとコンパクトながら画素数は1300万、動画の撮影も可能など優れた性能から、日本でも注目されつつあるが、初日は10セット以上を売上げた。セットで税込み1万6500円~と“トイ”の範疇にとどまらない価格、婦人服の自主編集売場の一角という立地では、上々の数字だ。販売は2月16日まで。
【写真】専用の什器にはセットや各パーツを並べ、地元の写真家が撮った写真も添えて、使用感をイメージしやすくした
ペーパーシュートは、2013年に台湾で誕生。紙やアクリル、コルクなど様々な素材のカバー、広角やマクロなどのレンズを自由に選んでカスタマイズできるほか、撮影では「クラシック」、「モノクロ」、「セピア」、「ブルー」など4種類のモードを切り替え、好みの雰囲気に仕上げられる。デジタルカメラでありながら、フィルムのような柔らかさ、レトロ感を演出できるのも特長だ。
素材やデザインへのこだわりが評価され、欧米や日本、中国、韓国へと販路を拡大。日本では蔦屋書店が昨年6月に代理店契約を結び、「新宿 北村写真機」、「レクサス ミーツ」、「東急ハンズ名古屋店」などで販売し、好評を博してきた。
そうした中で、高島屋横浜店のスタイル&エディットの担当者が昨年10月、画像共有SNS「インスタグラム」のペーパーシュートのアカウントに着目。コロナ禍で客足が細り、婦人服の動きは鈍化しており、服とカメラによる「ライフスタイル提案」に活路を求め、蔦屋書店に“ラブコール”を送った。
蔦屋書店も「最近では女性の問い合わせ、売上げが多い。女性客が6~7割を占める百貨店には商機がある」(ペーパーシュートを担当する、商品企画本部の島田栄一氏)と判断。ポップアップショップを出した。
スタイル&エディットでは、専用の什器を用意。30種類以上のカバーを揃えるとともに、地元の写真家がペーパーシュートで撮った写真も置き、イメージしやすくした。売場の一角では、婦人服とペーパーシュートのコーディネートも紹介。視覚に訴え、客足を呼び込む。
滑り出しは順調で、初日で一部のカバーは欠品。追加発注になるなど、嬉しい悲鳴が上がった。蔦屋書店は今後、ペーパーシュートを「梅田 蔦屋書店」や「イセタンサローネ」でも展開する方針で、販路を増やして認知度の向上や売上げの伸長に繋げる。