2020年11月 SC・チェーンストア・コンビニ売上高
SC 月前半は改善の兆しも、後半低迷で再び2桁減
日本ショッピングセンター協会が調査した11月の既存SC売上高前年比は11.3%減となり、回復基調だった前月(2.4%減)から再びマイナス幅が広がり、14カ月連続減だった。同協会では「初旬はGoToトラベルなどが後押しとなり順調なスタートを切ったものの、中旬は季節外れの夏日を記録するなど気温が高めに推移し秋冬物商材が伸び悩み、加えて月後半に全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大。25日には政府が『勝負の3週間』として感染拡大防止を呼びかけたこともあり、来館者が減少し売上げが伸び悩んだ」と総括している。
テナントとキーテナント別では前者が12.5%減、後者が6.7%減。前月に2.3%増だったキーテナントは比較的健闘した。立地別・構成別では、総合で中心地域が19.6%減、周辺地域が7.3%減となり、中心地域のなかでも回復が遅れていた大都市は総合で23.4%減となり、10月を除く6月以降で初めて20%台のマイナスに収まった。立地別・地域別では、全9地域のうち、新型コロナ感染拡大が早かった北海道が33.7%減となり、6月以降で最大のマイナス幅となった。
業種別の動向では、食品、家庭用品、雑貨などが引き続き堅調だったが、一方で、飲食は不振が続き、加えて気温が高めに推移したため、秋冬物の衣料品が伸び悩んだ。
チェーンストア 2カ月連続増、食品と住関品が衣料品の不調をカバー
日本チェーンストア協会が調査した11月のチェーンストア総販売額(56社・1万939店)は、1兆558億円余で、店舗数調整後の前年比は1.2%増となり、前月(2.8%増)に続きプラスとなった。衣料品は2桁減だったものの、主力の食品が3%伸び、住関品も前月に続きプラスを遂げた。
新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う外出自粛傾向の強まりとテレワークなどによる内食化需要の高まりを背景に食品は引き続き好調で、11カ月連続増。農産品、畜産品、水産品、惣菜、その他食品の主要5部門が前月に続き全てプラス。特に農産品、畜産品、水産品は、いずれも前月に続き店舗数調整前で2桁伸長した程の好調ぶり。農産品では野菜類がカット野菜含めて概ね好調。畜産品も牛肉、豚肉、鶏肉共に好調で、鶏卵やハム・ソーセージも順調な売れ行き。水産品は刺身や干物が概ね堅調だった。
住関品は主要5部門のうち、その他商品以外の4部門がプラス。中でも家電製品と家具・インテリアが好調。前者ではエアコン、オイル・セラミックヒーター、調理家電、加湿器、空気清浄機、乾電池などが好調。後者はソファ、食卓セット、ワークチェア、デスク、収納用品、座椅子、カーテン、インテリア小物などが好調だった。
前月がプラスだった衣料品は再びマイナスに転じた。特にテレワークの継続に伴いビジネス関連商品が低迷。紳士服ではスーツ、ジャケット、スラックス、ドレスシャツの動きが鈍く、婦人服ではフォーマル、ニット、ボトム、アウターが不調。その他衣料では紳士・婦人インナー、子供衣料、ストッキング、靴下、靴・鞄、帽子、傘などの動きが鈍かった。
コンビニ 平均客単価は14カ月連続増も、来店客数が9カ月連続減
日本フランチャイズチェーン協会が調査したコンビニエンスストアの11月売上高は、全店(7社・5万5906店、店舗数前年比0.5%増)が8886億円余、前年比2.0%減となり、前月(2.8%減)よりもマイナス幅がやや改善したものの、9カ月連続減。既存店は8500億円余、同2.2%減となり、全店同様に前月(4.3%減)よりもマイナス幅が改善したものの、9カ月連続減だった。
同協会では「新型コロナの再拡大により在宅勤務や外出自粛などが続き来店客数に影響を及ぼしたことから全店・既存店共に前年を下回る結果となった」と総括している。来店客数は全店が10.1%減(前月9.5%減)で、既存店が10.0%減(同10.5%減)となり、共に2桁減かつ9カ月連続減だった。
対して平均客単価は前年実績を上回り、14カ月連続プラス。全店が9.1%増の680円超(前月7.3%増、668円超)、既存店が8.6%増の683円超(同6.9%増、671円超)となり、前月より伸長率も高まった。引き続き生鮮食品、惣菜、冷凍食品、スイーツ、酒類、マスクなどの衛生用品が好調に推移したことが単価増に繋がった。