2020年9月 東京・大阪地区百貨店売上高
■店頭37%減も入店客数は回復基調、イエナカ需要が顕在化
東京地区百貨店(12社・25店)の9月売上高は930億円余で、前年比(店舗調整後)は35.0%減となり、12カ月連続減。前年の消費増税前の駆込み需要(20.7%増)の反動減の影響で、前月(29.1%減)よりもマイナス幅が広がった。入店客数も37.7%減と引き続き大幅減を強いられているものの、シルバーウィークによる来街者増や物産展などの集客策によって、前月(44.5%減)よりも減少幅が縮小され、改善傾向に転じてきた。
3カ月移動平均値は、2~4月41.6%減、3~5月59.6%減、4~6月56.1%減、5~7月40.1%減、6~8月27.0%減、7~9月30.8%減。
店頭売上高(構成比88.7%)は37.1%減で、前月(29.9%減)よりもマイナス幅が広がり、対して非店頭は12.5%減となり、店頭に比べマイナス幅が小幅で、前月(20.9%減)より8.4ポイントも改善した。
主要5品目では、前年に消費増税前の駆込み需要とインバウンド需要の恩恵を受けた雑貨と身のまわり品が順に45.5%減、39.1%減と反動減が目立つ。衣料品も42.4%減と大幅なマイナスを強いられたが、反動減に加え秋物の生産調整や納期遅れの影響もある。
対照的に前年の駆込み需要の恩恵が少なかった食品と、イエナカ需要の高まりに伴う家庭用品が10%台のマイナスに踏み止まった。食品では家飲み需要の高まりで、ワインや日本酒が好調で、ECサイトの物産展や食品催事が健闘した。家庭用品ではリビング用品やキッチン雑貨が底堅かった。また、雑貨のうち美術・宝飾・貴金属も大幅なマイナス(46.4%減)だが、駆込み需要がなかった18年9月と比較すると9.7%増となり、高額消費は堅調だった。