CADAN×ISETAN MEN’S : Autumn Takeover
CADANと伊勢丹新宿店メンズ館のコラボプロジェクト「Takeover」の秋に注目
CADAN(一般社団法人日本現代美術商協会)とイセタンメンズのコラボレーションプロジェクト「Takeover」シリーズの第3弾「Autumn Takeover」が9月23日(水)から始まります。インスタグラムをはじめとしたSNSで使用されるプロモーション用語「Takeover」と題した本シリーズは、今の時代を反映する現代美術をフィーチャーします。スプリング、サマー、オータム、ウィンターと4シーズンに渡り伊勢丹新宿店メンズ館のフロアに様々な現代美術が出現します。
見どころ
展示内容
【1階】髙山陽介(たかやま ようすけ)(所属ギャラリー:ANOMALY)
1980年群馬県生まれ。神奈川県在住。2007年、多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程終了。在学中より木を主な素材として作品を制作。近年では、2015年に府中市美術館での公開制作、2019年にアーティスト・イン・レジデンス須崎での滞在制作など、その活動の幅を広げている。主な展覧会に、個展「Unknown Sculpture Series No.7 #4 朝のうた」(gallery21yo-j、2017年)、「中庭」(CAPSULE、2016年)、グループ展「高柳恵理×髙山陽介×千葉正也」(多摩美術大学 八王子キャンパスアートテーク・ギャラリー、2017年)、「コレクション+ 行為と痕跡」(アーツ前橋、2016年)、「囚われ、脱獄、囚われ、脱獄」(駒込倉庫、2016年)がある。
髙⼭⽒の作品は、伝統的な⽊造彫刻をベースに、平⾯に近い⽊版やレリーフ作品の制作、台座の在り⽅を熟考した提⽰⽅法など、現代における「彫刻」の概念そのものを真摯に追求している。その作品の多くは、⽇常の描写や⼈物を題材とし、特に頭部を模した⾸像のシリーズは60点にも及ぶ。荒々しいチェーンソーの痕跡や⽊肌を流れる塗料の滴りからは、素材と対峙する髙⼭⽒の精神性、さまざまな記憶や積層する時間が現れている。
【2階】柴田 祐輔(しばた ゆうすけ)(所属ギャラリー:WAITINGROOM)
1980年福岡県生まれ。2007年武蔵野美術大学大学院美術専攻版画コース修了。現実世界の曖昧さや不確かさに着目し、映像・写真・オブジェなど様々なメディアを使ったインスタレーションを国内外で発表。2019年国際交流基金Asia Fellowshipで東南アジア6カ国、11都市でビデオ史に関するリサーチを行った。近年の展覧会として、2019年スクリーニング『VIDEO BATTLE Yusuke Shibata』(Indonesian Institute of the Arts, Yogyakarta、ジョグジャカルタ) 、2018年個展『Meeting Point』(Yet Thirtieth Experimental Art Space、香港 )、2017年グループ展『奥能登国際芸術祭』(旧小泊保育園,石川)、2017年個展『続・公共と自由』(WAITINGROOM / 東京)、2016年個展『公共と自由』(Art Center Ongoing / 東京)など。Ongoing Collectiveのメンバー。フリースタイルフォトバトル企画など。
『公共と⾃由』は、写真と家具や機材などのオブジェを組み合わせたインスタレーション作品であり、社会を⽣きる上で私たちが共有しているとされる”公共空間”と、その路上で⾒られるものの振る舞いとのやり取りから⽴ち上がる⾵景の可能性を模索したシリーズである。今回は、2016年にArt Center Ongoingで開催した個展「公共と⾃由」、2017年にWAITINGROOMで開催した個展「続・公共と⾃由」に引き続き、同シリーズに新作を交えた「続・続・公共と⾃由」として発表する。
【4階】日野田 崇(ひのだ たかし)(所属ギャラリー:imura art gallery)
1968年兵庫県神戸市生まれ。1991年大阪芸術大学 芸術学部 工芸学科陶芸コース卒業。1992年に初の個展を開催以降、国内外のギャラリー、美術館での個展・グループ展で作品を発表している。2010年、京都府文化賞 奨励賞受賞。現在、嵯峨美術大学 教授。近年、日野田は「手色形楽(しゅしきけいがく)」という造語を自身の制作を定義づけるために提案している。これは西洋近代の「Fine Art」や日本語の「美術」に代わる枠組みとして想定されるものである。
作品『万能細胞』はもともと、医療⽤途などに開発が進んでいる再⽣細胞のトピックに触発されてできたもので、初期化した細胞が特定の形や質のまとまりや機能に特化していく過程と、⾃⾝が⼟をかたちづくっていくプロセスとが共鳴しているように感じられた。そこには、善悪の問題を超えて、外へと拡張していく⽣命の盲⽬的な⼒強さがイメージとして根底にあるように思う。(⽇野⽥ 崇)
【6階】池崎拓也 (いけざき たくや)(所属ギャラリー:Satoko Oe Contemporary)
1981年鹿児島県徳之島生まれ。2005年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業、2008-2010年中国北京中央美術学院造形部実験芸術家留学。現在ニューヨーク在住。廃品や身の回りに溢れる安価な材料を用いて、奄美出身の自身のアイデンティティと、地震が身を置く環境や現場に向き合いながら作品を制作する。主な展覧会に「ビューティフル♡ワールド」Satoko Oe Contemporary(2017)、「楽園創造ー芸術と日常の新地平ー」ギャラリーαM(2013)など。
娘が妻の携帯で送ってきたメッセージは、ぐちゃぐちゃの⽂字が並んで、意味不明で、まるで暗号のようなものだった。娘に「なんてメール送ったの︖」と聞くと、「パパ好きだよ」と返答が来た。この暗号からは想像できない答えだった。まだ⽂字が読めない書けない⼦供が携帯やパソコンをタップしながらつくるその「暗号」は、よく⼦供がやる、とりとめもなく、ただの⽂字や記号の羅列でしかないと忘れ去られてしまうかもしれない。しかし、同じように扱われるその「暗号」を敢えて⾃分の経験で作品化しようと考えた。その「暗号」は、よく読むと、いろんな発⾒があって、⽂字のつながりからいろいろ想像する⾯⽩さもある。それらは、まるで記号やアルファベットが羅列された抽象絵画を紐解いていくような⾯⽩さもあるような気がしている。(池崎拓也)
実施概要
タイトル:「CADAN×ISETAN MEN’S : Autumn Takeover」
会期:2020年9月23日(水)-12月22日(火)
設置場所:伊勢丹新宿店メンズ館1階・2階・4階・6階
主催:伊勢丹新宿店メンズ館
協力:一般社団法人日本現代美術商協会
SIとは
昨年3月に「男として、そして、人として -As a man , and As a human- 」を新ステートメントに掲げ生まれ変わったメンズ館のお迎えの場として、1階・2階・4階・6階に設置された立方体の空間(SI ストアアイデンティティ)。毎年設定したテーマに沿ってアート作品が展示されている。
CADANとは
一般社団法人 日本現代美術商協会(CADAN: Contemporary Art Dealers Association Nippon)は、日本の現代美術の振興と普及、現代美術市場の確立と発展、現代美術作家の国際的な認知度の向上、若手作家への支援と人材の育成を目指し、日本の現代美術の発展に寄与することを目的として2015年に設立された非営利の業界団体。現在47のギャラリーが加盟している。(https://cadan.org)
今後の予定
CADAN×ISETAN MEN’S : Winter Takeover
会期:2020年12月23日-2021年3月まで