プリンセストラヤ、SDGsへの取り組み強化 マダガスカルの残布を使ったバッグ
プリンセストラヤは、社会や環境にやさしい素材の商品を充実させ、SDGsへの取り組みを強化する。5月に「BASARA TYO」でマダガスカルの残布を利用したバッグを発売し、今秋には「ダコタ」で、環境に配慮した「ゼオライトなめし」を採用したシリーズを展開。糸や接着剤など、全ての素材で自然環境への配慮を追求した商品の開発も進めている。
今シーズンに始めたBASARA TYOの「アレックス」シリーズは、マダガスカルで生産される布の余りをラフィアと織り合わせた素材のバッグが登場する。サイズは小(1万1880円)、大(1万5400円)の2種類で、カラーはそれぞれブラウンコンビとカラーミックスを用意。日本の長い夏と、初秋も対応できるような素材や色合いにこだわった。
残布の再利用を目的に立ち上げたシリーズだが、マダガスカルでは気候変動によって干ばつが広がり、飢饉が深刻化していることから、商品を通じてこうした現状を知ってもらうことも狙う。売上金の一部は、国連世界食糧計画を通じて寄付される。
秋口から展開を始める「イデーア」シリーズは、長財布や二つ折りタイプなど、全7型を用意。価格帯は8580~2万4200円となる。カラーはオレンジ、ブラウン、マスタード、エメラルドグリーンの4種類を揃える。素材は牛革で、全て「ゼオライトなめし」を施している。
革のなめしは「クロムなめし」と「タンニンなめし」の2つが主流だが、クロムなめしは過程で六価クロムが生成されるため、適切な排水処理をする必要がある。タンニンなめしはクロムなめしよりは環境への負荷が少ないが、樹皮や木などから抽出したタンニン成分を使うため、採取する植物の再生や育成に時間を要する。ゼオライトは自然由来の鉱物で、タンニンのように植物を伐採する必要がない。また、クロムやタンニンなめしの革よりも土中での分解産物に特徴的な残渣が少なく、生分解期間が短いという特徴がある。
加えて、ダコタでは「Resonance PROJECT」というプロジェクトが進行している。同ブランドは、以前からサステナブルな素材を採用していたが、さらに生地、糸、接着剤など全てにおいて環境に配慮した素材を使用するものづくりを追求する。現在、生地にゼオライトレザーやオーガニックコットン、糸に生分解性の「カタン糸」、接着剤に植物由来の天然ゴムラテックス「ULACOL」を使用したバッグや財布を開発。商品化に向けて動いている。