京王新宿店、“ユザワヤ効果”で新客を開拓
京王百貨店が16日に新宿店の4階に開いた手芸専門店「ユザワヤ」が、新客の獲得に成果を上げている。主に婦人服を扱う4階は、売上げの約8割を「京王パスポートカード」の保有者をはじめとする組織顧客が占めるが、ユザワヤでは約6割。10~20代の利用も目立ち、京王新宿店に新客の獲得や客層の拡大を促した。売上げも想定を上回っており、9月は目標を達成する見通しだ。
ユザワヤは約2万5000SKUの手芸用品を揃える。京王百貨店はユザワヤを誘致した理由を「コロナ禍において“自宅でできる趣味”として手芸を始める人が増えており、新宿店でもショップやイベントなどで定期的に実施する雑貨、アクセサリーのワークショップが人気。ミセスやシニアに向けた婦人服がメインの4階では近年、雑貨や美容のカテゴリーを増やしてきたが、手芸用品の大型専門店を加えて、好調な領域をさらに充実させる」と説明する。
売れ筋は、ユザワヤの主力である生地や毛糸。京王百貨店は「特に毛糸の動き出しが早く、新宿店の既存顧客と親和性が高い上、婦人服のフロアに位置するためか(購入者の)ファッションアイテムの製作意欲が高いようだ」と分析する。
百貨店業界ではユザワヤの導入が目立ち、昨年3月には丸広百貨店川越本店が、今年2月には東武百貨店池袋本店や東武宇都宮百貨店宇都宮店が、同9月には名鉄百貨店本店が、それぞれショップをオープンさせた。