2024年11月19日

パスワード

購読会員記事

百貨店、食品売場の入場制限など人流抑制で感染対策強化

百貨店各社は、従来の感染対策に加え食品売場の入場制限などを新たに始めた。阪神梅田本店や伊勢丹新宿本店などの食品売場で多数の新型コロナ感染者が確認され、新型コロナウイルス感染症対策分科会に「デパ地下への人流の抑制」を提言されたことを受け、改めて感染予防の徹底を図る。

阪急うめだ本店は13~15日、食品フロアへの入場を14~19時の間、経路をエスカレーターのみに絞るなどして入場制限を実施。16日からは時間で区切らず、売場内が一定の人数を超えた場合に制限する方針に切り替えた。博多阪急、神戸阪急も同様の対策を行う。阪神梅田本店は7月末の感染者の発生を受け食品売場を休業しており、PCR検査の陰性判明者のみで運営できる体制を確保するなどして20日に営業を再開する。

三越伊勢丹、髙島屋、大丸松坂屋百貨店、そごう・西武はいずれも14日に入場制限などを開始した。

三越伊勢丹は首都圏の伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店の5店舗を対象とし、他店も順次始める。食品フロアに通じる出入口やエスカレーターなどの絞り込み、パッサーカウンター(客数把握システム)を活用した滞留人員監視による入場制限の実施、ソーシャルディスタンス確保のためフットプリントの間隔拡大などを行う。

高島屋はグループの全商業施設が対象。食品フロアの出入口の絞り込みやエスカレーター、エレベーターの稼働制限などを行い、食品以外の売場でも混雑状況に応じてレジを待つ際の間隔確保や入場制限なども実施する考え。店頭では共有部や売場のこまめな清拭消毒や換気の強化、店舗出入口での導線明確化などを行い、従業員に対しては手指消毒や手洗い、毎日の検温、マスクを外しての会話の禁止などをさらに徹底する。

大丸松坂屋百貨店は店舗ごとに滞留する客数の上限を設定して入店制限し、客数を知らせるモニターを順次導入する。エレベーター、エスカレーター、化粧室、食品売場の包装台など、不特定多数の客が利用する施設には空気触媒の抗ウイルス塗装を施し、従業員施設内の除菌装置なども増設する。全16店舗が対象。

そごう・西武は全店の食品売場への買い物かご除菌機を3日に既に導入していたが、加えて西武池袋本店、西武渋谷店、そごう横浜店、西武東戸塚S.C.、そごう千葉店、そごう大宮店、西武所沢S.C.の7店舗で、混雑時の入店制限を始めた。