東急東横店、85年の営業に終止符
85年の歴史に幕を下ろした――。
東急百貨店東横店が3月31日、営業を終了した。同店は1934年にオープン。51年には日本で初めての名店街「東横のれん街」を設け、2000年には後に「デパ地下ブームの先駆け」と位置付けられる「東急フードショー」を構えるなど、渋谷駅の利用者を中心に多くの支持を集めてきた。
2012年頃から渋谷駅周辺では東急や東日本旅客鉄道、東京地下鉄らによる再開発が活発化。その進捗に伴い、同店は85年に亘る歩みに終止符を打った。
一方で、地下1階の東急フードショーは営業を継続。東横のれん街はShinQsの地下2階と同3階と一体化し、4月16日に生まれ変わる。
静かな幕切れだった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、セレモニーなどのイベントは中止。メディアにも取材の自粛を求めたが、閉店間際にはその一部と客が詰め掛け、〝最期〟を見守った。
閉店の5分前には、石原一也店長(4月1日付で営業本部長)の挨拶を館内で放送。「残念な思いもございますが、渋谷の街のさらなる発展に向けて、共に歩みを進めるために、この営業終了を決断致しました」と経緯を説明し、「東横店は歴史に幕を下ろしますが、従業員はお客様から頂いたご愛顧を胸に、新たな場所で再出発致します。そして再びお目にかかれることを楽しみにしております」と〝再会〟を約束した。