2019年11月全国百貨店売上高 6.0%減 駆け込み反動減残る 9~11月で1.1%減に
日本百貨店協会が調査した全国百貨店(76社・208店)の19年11月売上高は4937億円余で、前年比(店舗調整後)は6.0%減だった。消費増税前の駆け込み需要の反動減を強いられた前月(17.5%減)に比べマイナス幅が改善したものの、2カ月連続減。9月から11月までの3カ月の前年比は1.1%減となり、駆け込み需要の影響が少なかった8月以前の5月から7月の1.6%減の水準に近づいた。10月、11月で9月の「貯金」を使い果たし、マイナス基調に戻った格好だ。
同協会では、「11月は消費増税前の駆け込み需要の反動から高額商材を中心に影響が残ったことに加えて、気温が高めに推移したことで防寒アイテムの動きも鈍かった。しかし集客策や改装効果、土曜日1日増のプラス与件もあり、着実な回復基調を示している」と総括している。
顧客別では国内市場(シェア94.7%)が6.0%減となり、前月(17.7%減)から大幅に改善。地区別では全都市・地区がマイナスで、かつ2カ月連続減。十都市が5.7%減(前月17.3%減)、地方都市(十都市以外)が6.6%減(同17.9%減)で、ほぼ同水準で回復している。
主要5品目では全品目が2カ月連続減。しかしながら家庭用品(0.3%減)と、軽減税率対象の食料品(0.6%減)はほぼ前年並み。家庭用品では法人需要が好調だった家電が2.6倍となり、6カ月連続増。食料品ではギフト、自家需要共に堅調だった菓子がプラス(1.3%増)に転じた。対照的にマイナス幅が改善したとはいえ雑貨、身のまわり品、衣料品が二桁前後のマイナスで、高額品の反動減の影響が大きい。
免税売上高(91店舗)は約261億5000万円で、前年比は5.3%減。前月(13.8%減)より改善したものの、2カ月連続減。円高や諸外国の国際情勢による訪日客数の減少が影響した。購買客数は40万9000人で、前年比は5.1%減となり、6カ月連続減。前月プラス(1.2%増)だった一人当たりの購買単価も0.3%減(約6万4000円)だった。