三越銀座店、XRを活用した広告メディア事業
三越伊勢丹ホールディングスは、XR(クロスリアリティ)を活用した広告事業「GINZA XR Media」を始める。三越銀座店と、同グループの広告代理業を務める「スタジオアルタ」、ソニーグループで総合広告事業を手掛ける「フロンテッジ」、同じくソニーグループでデジタルソリューションビジネスを行う「SoVeC(ソベック)」の4者が協業。スマートフォン向けの次世代ARアプリ「XR CHANNEL」を用いて、三越銀座店の外壁にAR(拡張現実)を展開。世界有数の商業地である銀座の街にふさわしいデジタルコンテンツで、新たな広告メディアの価値向上を目指す。
三越伊勢丹グループは、中期経営戦略の基本戦略に「高感度上質消費の拡大・座巻」と「最高の顧客体験の提供」を掲げる。上質な生活を求める客のニーズに、“感動的解決・革新的提案”で応えると共に、従来の百貨店事業モデルからの変革を目指し、グループリソースを活用したBtoB外販の取り組みを進めている。
今回はその一環として、三越銀座店と、三越伊勢丹グループが保有するメディアを活用した広告事業をプロデュースするスタジオアルタ、ネットワークや企業資産を活用し新たなメディアをプロデュースするフロンテッジ、デジタルコミュニケーション領域におけるソリューション提供とコンテンツ開発を行うソベックの4者が協業。国内外の高感度な客が来訪する立地を生かして、XRを活用した新たな広告メディアを発信する。取り組みを通じて、企業間のコミュニケーション促進や、クライアント企業の価値向上にもつなげる。
XR CHANNELは、ソベックとKDDIが共同開発した次世代ARアプリ。ARとは「拡張現実」を意味し、実際の環境とデジタルの情報を合成して現実世界を表現する技術のことをいう。街の建物など3次元情報をスマートフォンのカメラ機能で認識できる「Visual Positioning Service」(以下、VPS)と、AR技術を組み合わせて、街の風景とARコンテンツが空間上で連携し作用し合うような新鮮な体験が楽しめる。また、銀座三越店の壁面と周辺空間にARを正確に表示させるため、ソニーグループのVPS技術を採用。同店の詳細な3次元地図データを作成し、正確かつ圧倒的なXR体験の実現に成功した。
銀座シャンデリアは同店のライティングファサードで、20年8月に誕生した。銀座の街の賑わいと風格に合う伝統や美をイメージしたシャンデリアをモチーフにデザインされ、シーズンに合わせたライトアップやコンテンツの配信を行う。メディア機能のみならず街並みに華やかさを提供している。
1~25日の期間中に配信する「GINZA MITSUKOSHI XR CHRISTMAS 2022」は、XR CHANNELの専用アプリをダウンロードしたスマートフォンを銀座シャンデリアにかざすと、「ミナ ペルホネン」のデザイナーである皆川明氏が今回のために手掛けたクリスマスモチーフのXRが体験できる。