西武リアルティソリューションズ、運営する施設の環境負荷削減を加速
西武リアルティソリューションズは、運営する施設の環境負荷削減を加速する。「東京ガーデンテラス紀尾井町」には100%再生可能エネルギー電力を、「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」には「オンサイトPPA」による太陽光発電を、それぞれ導入すると決めた。西武グループは経営理念に当たる「グループビジョン」に基づき、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを「サステナビリティアクション」として積極的に推進しており、二酸化炭素(CO2)排出量をグループ全体で2030年度までに2018年比で46%削減、50年度までにネットゼロを目指す。西武リアルティソリューションズの取り組みも、サステナビリティアクションの一環だ。
東京ガーデンテラス紀尾井町における再生可能エネルギー由来電力(以下再エネ電力)は、全電源平均電力にFIT非化石証書(トラッキング付き)および再エネ指定の非FIT非化石証書(電源属性情報有り)を組み合わせ、企業が事業で使用する電気を100%再生可能とすることにコミットする協働イニシアチブ「RE100」にも対応。これにより、東京ガーデンテラス紀尾井町に入居する企業およびびテナントでも専用部内で再エネ電力の利用が認められる。今年10月1日から施設内で使用する全ての電力が実質的に再エネ電力となり、「実質CO2排出ゼロ」(=実質ゼロエミッション化)が達成される。
東京ガーデンテラス紀尾井町は以前から環境保全への取り組みを続けており、2017年にBELS最高ランク5つ星、18年にコージェネ大賞理事長賞、20年にDBJ Green Buildingの最高認証継続、21年に東京都の優良特定地球温暖化対策事業所「トップレベル事業所認定」などの認定、認証を取得している。
軽井沢・プリンスショッピングプラザが23年3月から稼働させるオンサイト PPA モデルによる太陽光発電システムは、施設内の「ツリーモール」、「ガーデンモール」、「フードコート」の3エリアの屋上に約4000枚の太陽光パネルを設置。太陽光発電システムの稼働で発電される電気(自然エネルギー)を買電し、施設の店舗区画や共用部に供給して自家消費する。設置パネル量は1770kWを出力する規模で、初年度の年間想定発電力量は約205万kWh、施設全体使用電力量の約20%がカバーされる。同システムの稼働に伴い、約870t-CO2/年相当の温室効果ガスの排出量削減効果が得られる見込みだ。
太陽光発電システムによる電力供給サービスには、東京電力ベンチャーズ、シャープエネルギーソリューションが共同で提供するオンサイト PPA モデルを採用する。オンサイト PPAモデルとは、FIT法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)における固定価格買取制度に依存せず、発電事業者が施設保有者に電気を供給するサービス。施設保有者が所有する工場や倉庫、店舗などの屋根や遊休地に発電事業者が太陽光発電システムを設置し、発電された電力を施設保有者が一定価格で買い取る。施設保有者は初期投資や設備の維持管理の負担がなく、一定期間CO2フリーで発電した電気を固定価格で利用できる。
(塚井明彦)