津松菱、同業への催事出店を加速
津松菱が、同業他社での物産展の開催や同業他社が開く物産展への参画を加速する。6月8~13日に東武百貨店船橋店が実施した「愛知と三重の物産展」に出るとともに、8月4~10日には京急百貨店で「三重県うまいもの会」を手掛けた。津松菱は地域商社事業を立ち上げ、2021年から首都圏の百貨店で三重県の美味を紹介する「三重の食フェア」を開催する。
京急百貨店では、地下1階で「三重県うまいもの会」を開いた。三重県内から12の生産業者が出店。松阪牛赤身ステーキ&カルビ弁当の「やき肉千力」(松阪市)、伊勢ひりょうずの「若松屋」(伊勢市)、うなぎまぶしの「三重おわせ久㐂」(尾鷲市)、九華ショコラの「カフェ・ド・アン・ダニエルズ」(桑名市)、津ぎょうざの「津ぎょうざ小学校」(津市)、真鯛入り特撰焼ちくわの「カマイチ」(三重郡)、つゆだく伊勢うどんの「かいだ製麺所」(松阪市)、赤ころ・くさ餅の「さわだ一休庵」(名張市)、黒酒酢の「中野酢」(南牟婁郡)、サンマの丸干しの「畑辰商店」(熊野市)、尾鷲産ガス海老天むす弁当の「日本料理蔵楽」(名張市)らだ。
目玉として百貨店に初登場したのが、津ぎょうざ小学校。津ぎょうざとは、三重県津市の学校給食から生まれた「ご当地グルメ」で、直径15cmの大きな皮で包んだ揚げぎょうざを指す。1985年頃に津市の学校給食で登場し、2008年10月の津まつりで好評を博してご当地グルメとなり、津市の飲食店で取り上げられるようになった。
19年には「B-1グランプリ」でゴールドグランプリを受賞。津松菱も津ぎょうざと縁があり、そのキャラクター「つつみん」の発表会が同店で開かれた。
B-1グランプリでの実績から、催事などで津ぎょうざの出店依頼が多くなっているが、基本的には津市内の飲食店などで販売されているため、人員の問題などで、ほとんど応じていない。今回は市民活動団体である津ぎょうざ小学校に掛け合い、市役所のスタッフが運営する方法で実現した。
津松菱の川合正常務営業本部長は「津ぎょうざを知っている人も知らない人もいたが、『(1度購入して)おいしかったから』と再来店する人もいた。会期中は実演販売しており、日によっては皮の中に入れる具がお客様の注文に間に合わずお待たせすることもあったものの、大変好評だった」という。
津ぎょうざ以外でも、やき肉千力の松阪牛、三重おわせ久㐂のうなぎまぶし、日本料理蔵楽の天むすなどの弁当類がコンスタントに売れ、かいだ食品の伊勢うどんも安定した売れ行きをみせた。京急百貨店は食に強いだけに、地下1階食品フロアは集客力がある。フロアに訪れた顧客が三重県うまいもの会にも足を運ぶ効果をもたらし、同催事は予算を達成した。
(塚井明彦)