玉川高島屋S・C、開業50周年を記念した改装が完了
19年11月11日に開業50周年を迎えた玉川高島屋S・Cは同年9月から大規模改装にかかり、大規模改装と50周年記念キャンペーンを軸とした50周年事業を展開。今年に入っても50周年事業が継続され、このほど本館1階アトリウム空間「グランパティオ」と本館2階のリニューアルオープンをもって完成となった。
50周年事業による一連の大改装では百貨店(高島屋)と専門店(東新開発)が共同歩調をとり、地階食料品フロアが改装され、百貨店と専門店が一体となった「フーズシティ」に一新された。屋上庭園もリニューアルされ、南館7階・屋上にイベントスペースやカフェ&ダイニング空間からなる「パーク&テラス オソト」がオープンしている。その他にも南館、本館などを中心にファッション、雑貨などの生活提案型の新ショップが導入されている。
そして50周年リニューアルの最後を飾るのが今回の本館1階アトリウムと本館2階。アトリウム空間のグランパティオは吹き抜け空間にある待ち合わせ・休憩所として、また玉川高島屋S・Cのプレステージ性を強調するシンボルとなってきた。それが「ライブラリー&アート~素敵な偶然に出会える場所」をコンセプトに、気鋭のクリエーターが集結し、豊かな自然と洗練された都市文化が共存するアーバンリゾートを象徴する空間となった。
アーキテクチャー×ライブラリー×アートを融合させた新グランパティオ。天井から約700個のペンダントライトをアーチ状に配置、昼と夜で変化する光はライブラリーとアートが融合する空間を包み、多彩な表情を演出。インテリアは自然樹形の樹木やリサイクルウール、解体される古民家からの古木などリユース材を採用した家具など配してサステナブルの素材で展開した。内装の設計デザインを手掛けた建築家の永山祐子氏は「この空間の新しい出会い(アート&カルチャー)に触れたときに、自分の中で新しい気づきや、発見が生まれると思う」と語っている。ライブラリーはブックディレクターの幅義孝氏が厳選した書籍(約40冊)を展示している。書籍はインタビューワークなどを実施してテーマを定め、年3回程度の入れ替えを行う予定。幅氏は「ここに選書するのは1冊にポイントを置いている。読者に文書や言葉、感情などが『刺さって』残り、日々の生活(例えば早起きしてみよう等)に作用したら嬉しい。是非ここで未知との出会いを通じて、1冊の本の世界に没入してほしい」とコメント。
アートディレクションはキューレーターの高須咲恵氏が担当し、現代アートを中心とした作品を展示。アーティスト松下徹氏とBIEN氏が新たに制作した壁画が高さ約7メートルの吹き抜け天井の柱面に施されている。
本館2階の改装は、〝自然体で自分らしいスタイルに出会うフロア〟をリニューアルコンセプトに、新店5店舗、移転改装3店舗、合計8店舗がオープンした。その中でも注目の店舗は全国初出店の「365日とCOFFEE」。ショップはグランパティオと連動し、客席空間の設計デザインを永山氏、選書を幅氏が担当。その特徴は、素材や製法にこだわりぬいたパンや、自家焙煎で香り豊かに仕上げたコーヒー、選書された100冊の本も置かれている開放的なオープンカフェ。
その他の新ショップは「Hirotaka」(ジュエリー)、「SACRA」(婦人服)、「ジャーナルスタンダードラックス」(婦人服)、「ドレステリア」(婦人服・紳士服)など。