2022年3月 東京・大阪地区百貨店売上高
7カ月連続プラス、売上高と入店客数共に2桁伸長
東京地区百貨店(12社・24店)の3月売上高は1225億円余で、前年比(店舗調整後)は11.3%増となり、前月(5.1%増)を上回る伸長率で、7カ月連続増を遂げた。入店客数は前月(12.5%増)に続き2桁伸長の14.9%増となり、6カ月連続のプラス。日本百貨店協会では「まん延防止等重点措置の解除や、気温上昇に伴い外出機会が増加したことに加え、各社の催事企画などが奏功した」と総括している。ただ、コロナ禍前の2019年比では売上高が13.7%減、入店客数が33.0%減となり、まだ回復途上に過ぎない。因みに免税売上高を除く19年比は5.9%減まで戻している。
3カ月移動平均値は、7~9月0.4%増、8~10月0.7%減、9~11月5.6%増、10~12月9.0%増、11~1月13.9%増、12~2月12.9%増、1~3月13.2%増。昨年11月以降、2桁増の回復を継続している。
売上高のうち店頭(構成比88.7%)の前年比は10.3%増で、前月(5.4%増)を上回る伸長率。これで7カ月連続のプラス。非店頭は19.6%増で、前月(3.1%増)を大幅に上回る伸長率で、かつ5カ月連続プラス。
商品別では、前月同様に家庭用品を除く主要4品目がプラス。中でも身のまわり品が17.7%増となり、前月(23.3%増)同様に最も高い伸長率で、7カ月連続増。ラグジュアリーブランドを中心に高価格帯のバッグや靴、革小物などが高伸長し、加えて26日に3つの開運日(一粒万倍日・天赦日・寅の日)が重なったことで財布が好調だった。雑貨は先月の伸長率(5.6%増)を上回る12.5%増。引き続き美術・宝飾・貴金属は時計を中心に全般的に好調で、前月(16.3%増)よりも高い19.8%増となり、14カ月連続プラス。化粧品は外出機会の増加やタッチアップ接客の再開でメイクアップ商品、季節の変わり目にともなうスキンケア商品が共に動いたことで、前月の伸長率(2.5%増)を上回る8.6%増だった。
食料品も前月(9.8%増)を上回る13.7%増で、7カ月連続増。菓子が19.6%増(前月15.8%増)、惣菜が19.6%増(同16.5%増)と前月同様に高い伸長率で推移。共に13カ月連続増。さらにその他食料品も前月(5.6%増)に続き好調で、9.4%増だった。ただ生鮮食品は0.5%減で、厳しさが続いている。
衣料品は前月(0.7%増)の伸長率を大幅に上回る7.9%増となり、6カ月連続増。婦人服が11.4%増で牽引し、7カ月連続増。卒・入学などのオケージョンニーズの復調を背景に婦人フォーマルが動き、加えて気温上昇で薄手の羽織物や軽量アウターなどの春物も好調だった。紳士服は7.8%増となり、5カ月連続プラス。スーツやジャケット、ワイシャツなどのビジネスアイテムに動きが見られた。
主要5品で唯一のマイナスだった家庭用品は0.1%減。ただ前月(4.2%減)よりマイナス幅は改善した。家電が22.6%増(前月4.1%増、2カ月連続増)、家具が6.1%増(同0.3%増、4カ月連続増)で、前月に続き健闘した。
主要5品目の19年比は、衣料品が23.4%減、身のまわり品が8.2%減、雑貨が11.4%減、家庭用品が2.9%減、食料品が4.9%減。まだ回復途上だが、細分類では、美術・宝飾・貴金属が29.3%増、家電が52.9%増、家具が3.9%増、惣菜が0.7%増とコロナ禍前を上回っている。