2024年11月19日

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2022年2月 SC・チェーンストア・コンビニ売上高

ショッピングセンター まん防止と気温低下の影響色濃く、4カ月ぶりにマイナス

日本ショッピングセンター協会が調査した2月の既存SC売上高前年比は4.4%減となり、前月の2桁伸長(11.0%増)から、4カ月ぶりのマイナスに転じた。地域別でも全9地域で前年実績を下回った。同協会では「前年も緊急事態宣言下の営業だったが、宣言等の対象地域が前年の11都府県に対し、本年は36都道府県に広範囲にわたったため、中でも周辺地域での来館者数の落ち込みが大きく前年を下回る結果となった」と総括している。コロナ禍前の2019年比は18.8%減となり、前月(18.0%減)とほぼ同水準の回復度に留まっている。

テナントとキーテナントの構成別では、共にマイナスに転じた。前月が2桁伸長(12.7%増)だったテナントは4.9%減。特に、前年に通常営業していた地域のSCではまん延防止等重点措置の発出に伴う営業時間短縮によってディナータイムの落ち込みが大きかった。物販も全国的に気温が低く春物商材の動きが低調だった。キーテナントは2.4%減で、5カ月ぶりのマイナス。ただ中心地域が2.9%増だったことで、テナントに比べ小幅なマイナスにとどまった。周辺地域のテナントは郊外立地のGMSを中心に来館客数の減少が見られ、3.3%減だった。また、19年比ではキーテナントが7.7%減(前月11.0%減)で、テナントが21.5%減(同19.5%減)となっており、前月よりも「復調度格差」が広がった。

立地別でみると、中心地域が0.4%減となり、ほぼ前年並み。中でも大都市地域は0.9%増で、キーテナント(4.0%増)、テナント(0.6%増)共にプラス。対して周辺地域は6.0%減となり、キーテナント(3.3%減)、テナント(7.0%減)共にマイナスだった。

業種別では、気温が低く推移したため、春物の実需に強いファッションテナントが苦戦した。ただ、セレクトショップなどファッション感度の高いテナントでは動きが見られた。飲食では、営業時間短縮や人数制限の影響で夜間帯を中心に前年実績を下回った。

チェーンストア 主力の食と住が堅調で6カ月連続増、サービス・その他も寄与

日本チェーンストア協会が調査した2月のチェーンストア総販売額(56社・11792店)は、1兆171億円余で、店舗数調整後の前年比は6.1%増となり、前月(4.0%増)を上回る伸長率で、6カ月連続のプラス。衣料品が苦戦したものの、売上高の約7割を占める食料品の好調が持続し、住関品が前月に続きプラスだった。さらに主要3品目以外のサービスとその他が4割超の伸長率で貢献した。

同協会によると「政府がまん延防止等重点措置を適用したこともあり、内食化需要の傾向が続き、食料品の動きは好調で、住関品も堅調に推移した」と分析している。食料品は4.4%増。前月(0.8%増)を3.4ポイントも上回る伸長率で、9カ月連続のプラス。農産品、畜産品、水産品、惣菜、その他食品のすべてが前年実績を上回った。中でも前月に続き惣菜がけん引した。惣菜は8.7%増で、前月(7.5%増)の水準をさらに上回った。温惣菜では前月同様に揚げ物、中華、焼き物などが好調。要冷惣菜は和惣菜がまずまずの動きで、弁当や寿司の動きが良かった。次いで高い伸長率だったのが農産品で、前月のマイナス(5.1%減)から5.0%増のプラスに転じた。じゃがいも、玉ねぎ、キャベツ、白菜、長ねぎ、スナップえんどう、もやし、カットサラダなどがまずまずの動きだった。

住関品は3.5%増となり、前月の伸長率(7.4%増)と比べ鈍化したものの、4カ月連続増。前月に続き日用雑貨が7.1%増(前月10.9%増)、その他商品が7.3%増(同23.4%増)でけん引した。日用雑貨ではステンレスボトル、玩具、トレーディングカード、キッチンペーパー、タオル、たばこなどが好調。その他商品ではアウトドア用品、ペット用品、園芸用品、花き類、サイクル用ヘルメット、電動アシスト自転車、軽快車などが好調だった。

サービス部門は40.3%増で、前月(40.8%増)と同水準の伸長率。チケット販売、キャッシング、DPE、クリーニングなどが計上され、売上高構成比が0.3%とはいえ、需要の高まりが顕著に表われた。その他は48.6%増となり、前月(29.6%増)に続く高伸長。商品供給高(商品卸売高)など、食堂・喫茶を除いた商品・サービスに属さない売上高で、総販売額に占める構成比は7.6%まで上昇した。

対照的に前月がプラス(0.2%増)だった衣料品は9.1%減。前月が2桁伸長(11.0%増)した紳士が15.1%減まで落ち込んだ。ブルゾン、コート、カジュアルシャツ、トレーナーなどが苦戦した。婦人も前月のプラス(5.9%増)から6.9%減のマイナスに転じた。スラックス、セーター、シャツ・ブラウス、ドレス、カットソー、アウターなどが不調だった。

コンビニ 全店は3カ月連続増も、既存店が3カ月ぶりのマイナス

日本フランチャイズチェーン協会が調査したコンビニエンスストアの2月売上高は、全店(7社・55931店、店舗数前年比0.1%増)が7993億円余、前年比0.4%増となり、3カ月連続で前年実績を上回った。対して既存店は7652億円余、同0.2%減となり、3カ月ぶりにマイナスに転じた。

既存店のマイナス要因について同協会では「多くの地域がまん延防止等重点措置下にあり、外出を控える傾向が増加したことなどが来店客数に影響を与えた」と総括している。一方、弁当や揚物などのカウンター商材と、平均気温が低かったため温かい調理麺、ホット飲料などの冬物商材が好調だった。

来店客数は、全店、既存店共にマイナス。全店が2.8%減となり、3カ月ぶりのマイナス。前月に6カ月ぶりのプラスだった既存店は3.4%減となり、再びマイナスに転じた。

対照的に平均客単価は全店、既存店共に9カ月連続のプラス。全店が3.3%増の713円超(前月1.6%増、719円超)、既存店も同じく3.3%増の716円超(同1.5%増、723円超)となり、前月に続き共に700円台を堅持した。商品別(既存店ベース)では、前月(4.3%増)に続き非食品(構成比33.3%)が2.1%増のプラスだった。