2022年1月 SC・チェーンストア・コンビニ売上高
ショッピングセンター 2桁伸長、3カ月連続増も、コロナ禍前の19年比は18%減
日本ショッピングセンター協会が調査した1月の既存SC売上高前年比は11.0%増となり、前月(6.0%増)を上回る2桁伸長で、3カ月連続のプラスだった。同協会では「前年に緊急事態宣言下で売上げが大きく落ち込んだこともあり、プラスだったものの、コロナ禍前の2019年比では18.0%減の厳しい結果となった。年始は2年ぶりに新春イベントや福袋販売といった販促施策を実施し、来館者が増えたSCが多かったものの、1月9日に広島、山口、沖縄でまん延防止等重点措置が発出され、段階的に対象範囲が34都道府県まで拡大されたこともあり、全国的に外出自粛傾向が強まったことから中旬以降は売上げも総じてマイナス基調となった」と総括している。19年比の18.0%減は、前月(8.7%減)よりマイナス幅が広がった増減率だ。
テナントとキーテナントの構成別では、前月(7.3%増)に続きテナントが12.7%増と好調だった。前年に緊急事態宣言の影響が大きかった飲食、理美容、アミューズメント、シネマなどで前半の回復傾向が顕著だった。ただ、まん延防止等重点措置による営業時間短縮などもあり、後半は再び厳しい状況に戻った。一方のキーテナントは4.7%増となり、テナントよりも伸長率は低いものの、前月(1.2%増)を上回る伸長率で、4カ月連続増。
テナント、キーテナント共に引き続き中心地域がけん引し、中でも大都市が健闘した。キーテナントでは中心地域が21.4%増で、中でも大都市は28.0%増だった。中心地域は前年の大幅減(33.4%減)に伴う反動増が表れた。ラグジュアリーブランド、時計、宝飾品などの高額品が好調な百貨店がけん引した。対して周辺地域は1.8%増。食品スーパーやGMSがコロナ禍でも比較的安定した売上げで推移したことで、前年からの変動が少なかった。テナントでは中心地域が16.1%増で、周辺地域が11.3%増で、キーテナントと異なり伸長率の格差は少ない。
19年比では、テナントが19.5%減(前月9.9%減)、対してキーテナントは11.0%減(同3.5%減)。テナントは2桁増だったものの、キーテナントに比べ回復が遅れている。
業種別では、ファッションが年始の外出機会の増加に伴い、アクセサリー、靴、スーツなどが好調で、年末からの気温低下によって冬物も売上げを伸ばした。プロパー商材も健闘した。飲食では年始まで年末からの好調が持続したものの、月後半に新型コロナ感染症拡大の影響で来店客数が減少し、特に宴会需要が減少した居酒屋や喫茶の落ち込みが目立った。サービスでは正月映画のヒットで、シネマが好調だった。
チェーンストア 5カ月連続増、前月に続き主要3品目すべてプラス
日本チェーンストア協会が調査した1月のチェーンストア総販売額(56社・11917店)は、1兆1091億円余で、店舗数調整後の前年比は4.0%増となり、前月(1.7%増)を上回る伸長率で、5カ月連続増を遂げた。売上高の3分の2超を占める食料品が引き続き堅調で、加えて衣料品と住関品が前月に続きプラスだった。
同協会によると「新型コロナウイルス感染者数の激増から行動自粛の呼びかけもあり、内食化需要の傾向が見られ、食料品はまずまずの動きで、衣料品と住関品も堅調に推移した」と分析している。食料品は0.8%増で、前月(1.0%増)とほぼ同意水準の伸長率となり、9カ月連続増。前月に続き惣菜がけん引した。惣菜は7.5%増となり、前月(4.3%増)を上回る伸長率。温惣菜では前月同様に揚げ物、中華、焼き物などが好調。要冷惣菜では和惣菜が好調で、弁当や寿司の動きも良かった。ただ、農産品は前月のプラス(1.8%増)から5.1%減のマイナスに陥った。
住関品は7.4%増となり、前月(0.3%増)を上回る伸長率。前月に続き日用雑貨が10.9%増(前月5.5%増)、その他商品が23.4%増(同9.4%増)でけん引した。日用雑貨では玩具、カードゲーム、ペーパー類、キッチンペーパー、ラップ・ホイル、ゴミ袋などが好調だった。その他商品ではスキー関連、ペット用品、スポーツウエア、トラベルバッグ、シティサイクル、介護用品、スコップなどが好調だった。
住関品と同じく衣料品も前月(0.2%増)を上回り、3.9%増だった。気温低下に伴い季節商品の一部に動きが見られ、前月に続き紳士(11.0%増)と婦人(5.9%増)が堅調。紳士ではスーツ、フォーマル、スラックス、ドレスシャツ、セーター、裏起毛トレーナーなどが好調だった。婦人ではフォーマル、ジャケット、パンツ、スラックス、セーター、ニット、フリース、裏起毛レギンスパンツなどがまずまずの動きだった。
コンビニ 全店・既存共に前月に続きプラス、客単価は8カ月連続増
日本フランチャイズチェーン協会が調査したコンビニエンスストアの1月売上高は、全店、既存店共に2カ月連続で前年実績を上回った。全店(7社・55956店、店舗数前年比0.1%増)が8738億円余、前年比2.7%増(前月3.6%増)で、既存店は8378億円余、同2.1%増(同3.2%増)だった。
同協会によると、「来店客数が回復傾向なことや、おにぎり、カウンター商材、玩具などが好調に推移した」ためと総括している。来店客数は、全店が1.1%増となり、前月(0.5%増)に続きプラス。既存店は0.6%増となり、6カ月ぶりにプラスに転じた。
また、平均客単価は全店、既存店共に8カ月連続のプラス。全店が1.6%増の719円超(前月3.1%増、725円超)、既存店が1.5%増の723円超(同3.2%増、729円超)となり、共に700円台を堅持した。商品別(既存店ベース)では、前月に続き非食品(構成比33.4%)が4.3%増(前月5.3%増)。加えて主力の日配食品(構成比35.0%)も前月(0.4%増)に続き1.0%増のプラスだった。