2021年12月 東京・大阪地区百貨店売上高
2カ月連続で2桁伸長、主要5品目もすべてプラス
東京地区百貨店(12社・24店)の12月売上高は1636億円余で、前年比(店舗調整後)は11.1%増だった。前月(10.0%増)に続き2桁伸長で、4カ月連続のプラス。入店客数は19.7%増となり、前月(13.1%増)に続き2桁伸長を遂げ、3カ月連続増だった。コロナ禍前の前々年(19年)比では売上高が6.5%減、入店客数が22.9%減のマイナスになるが、前月(売上高9.7%減、入店客数26.8%減)よりも共にマイナス幅が改善しており、復調傾向が強まった。
3カ月移動平均値は、4~6月51.3%増、5~7月16.3%増、6~8月1.5%増、7~9月0.4%増、8~10月0.7%減、9~11月5.6%増、10~12月9.0%増。9月以降の復調が顕著に表われている。
売上高のうち店頭(構成比90.3%)は12.3%増となり、前月の伸長率(8.3%増)を上回り、4カ月連続増。非店頭は1.4%増で、8カ月ぶりのプラスだった前月(28.1%増)よりも伸長率は鈍化したものの、2カ月連続プラス。
商品別では、3カ月連続で主要5品目がすべてプラス。このうち衣料品(15.6%増)、身のまわり品(19.4%増)、雑貨(12.6%増)の3品目は前月に続き2桁伸長。「外出機会の増加にホリデーシーズンの需要が重なり、若い世代の新規顧客を含む幅広い層で買い上げが見られた」(日本百貨店協会)。
衣料品では、前月同様に気温低下によるコートなどの重衣料や防寒アイテムが好調で、婦人服、紳士服が共に2桁伸長し、婦人服は4カ月連続増だった。ただ衣料品の前々年比は12.1%減で、まだ9掛け弱の回復度。
身のまわり品は、引き続きラグジュアリーブランドが好調で、前々年比では3.2%減まで復調してきた。雑貨は美術・宝飾・貴金属が、前月(32.8%増)よりも伸長率は鈍化したものの、19.9%増で牽引し、連続増は11カ月まで更新。前々年比では25.1%増も伸びた。結果、雑貨の前々年比は1.9%減まで復調した。
食料品は6.6%増となり、前月(5.8%増)を上回る伸長率で、4カ月連続増だった。前月と同様に菓子が18.7%増(前月18.8%増)、惣菜が8.3%増(同8.8%増)でけん引し、共に10カ月連続増。クリスマスケーキやおせちがECを中心に売れ行きが良く、加えて前月に続き手土産・ギフト需要も好調だった。ただ生鮮食品は前月同様に2%台のマイナスで、7カ月連続減だった。食料品の前々年比は4.2%減で、2桁伸長した菓子も3.8%減。ただ惣菜が2.1%増まで復活した。また前々年比では家電(45.2%増)が牽引した家庭用品が1.1%減まで戻している。