2024年11月19日

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2021年12月 SC・チェーンストア・コンビニ売上高

ショッピングセンター 2カ月連続の増、すべての地域で前年超える

日本ショッピングセンター協会が調査した12月の既存SC売上高前年比は6.0%増となり、前月(1.3%増)の伸長率を上回り、2カ月連続でプラス。すべての地域で9カ月ぶりに前年実績を上回った。同協会では「新型コロナウイルス感染者数の減少傾向がクリスマスや年末といった年間の大きなモチベーション期に重なったことに加え、各SCとも積極的に販促施策を行ったことが奏功した」と総括している。ただ、コロナ禍前の前々年(19年)比では8.7%減で、前月(9.3%減)とほぼ同水準のマイナスが続いている。

構成別では、前月に4カ月ぶりのプラス(1.5%増)に転じたテナントが7.3%増まで復調。制限緩和によって外食需要が回復し、飲食が好調で、加えて気温低下もあり冬物商材の動きが活発化した。一方のキーテナントは1.2%増となり、前月(0.5%増)を上回る伸長率で、3カ月連続増。引き続き中心地域・大都市で百貨店が牽引した。美術品や宝飾・貴金属、ラグジュアリーファッションといった高額品が堅調だった。ただコロナ禍で売上げを伸ばしていた地域密着型中小型SCの食品スーパーやGMSなどのキーテナントでは僅かながら前年実績を下回った。

前々年比では、キーテナントが3.5%減(前月2.7%減)まで復調し、対してテナントは9.9%減(同10.7%減)。前月同様にテナントの回復度が遅れている。

立地別では、中心地域が12.0%増で、このうち特に繁華街に立地する大都市SCが14.9%増。ただ前々年比では中心地域が12.8%減、うち大都市が14.8%減となっており、まだ回復途上。対して周辺地域の前年比は3.5%増となり、中心地域よりも伸長率が低いものの、前々年比では7.0%減まで戻っている。

業種別では、ファッションが健闘。クリスマスや年末年始などのハレの日需要が高まり、ラグジュアリー商材、月下旬の全国的な気温低下で、コート、ニット、ブーツなどのオンタイム向けの冬物商品が好調だった。さらに飲食は忘年会利用、ファミリー客の増加で前年実績を大きく上回るテナントが多く見られた。食物販は観光や帰省の動きが回復したため土産物商材が好調で、加えておせちなども堅調だった。

チェーンストア 前月に続き主要3品目すべてプラス、4カ月連続増に

日本チェーンストア協会が調査した12月のチェーンストア総販売額(56社・1万1897店)は、1兆3010億円余で、店舗数調整後の前年比は1.7%増となり、前月(2.8%増)よりも伸長率は下がったものの4カ月連続のプラス。売上高の3分の2超を占める食料品が引き続き堅調で、加えて衣料品と住関品も前月に続きプラスだった。

同協会によると「新型コロナウイルス感染者数は減少したものの、年末年始における行動自粛の呼び掛けもあり内食化の需要が見られ食料品はまずまずの動きだった」と分析している。その食料品は1.0%増で、前月(1.5%増)よりも伸び率は低いものの、8カ月連続増。前月に続き惣菜が牽引した。惣菜は4.3%増で、前月(7.1%増)より伸び率は鈍化したものの、食料品では最も高い伸長率。温惣菜では前月同様に揚げ物、中華、焼き物などが好調で、同じく要冷惣菜も和・洋共に好調。弁当や寿司の動きも良かった。また前月マイナスだった農産品は1.8%増のプラスに転じた。じゃがいも、玉ねぎ、にんじん、レタス、ミニトマト、カット野菜などが動いた。

住関品は、前月(0.5%増)とほぼ同水準の0.3%増の伸長率。前月に続き日用雑貨が5.5%増(前月1.3%増)、その他商品が9.4%増(同14.9%増)で、牽引した。日用雑貨では、ステンレスボトル、玩具、ペーパー類、洋食器、学童用品、タオル、たばこなどの動きが良かった。その他商品では、ペット用品、スポーツウエア、トラベルバッグ、小型キャリーケース、シティサイクルなどが好調だった。対照的に前月に続き医薬・化粧品と家具・インテリア、家電製品が伸び悩んだ。

住関品と同じく衣料品も0.2%増の微増で、前月(1.2%増)より伸び率は鈍化した。気温低下に伴い季節商品の一部に動きが見られ、前月に続き紳士(3.9%増)と婦人(1.9%増)が堅調。紳士では、ジャケット、スラックス、セーター、カジュアルパンツやアウターなどに動きが見られた。婦人では、コート、スラックス、ジャケット、セーター、カジュアルシャツなどがまずまずの動きだった。

コンビニ 全店・既存共に3カ月ぶりにプラス、入店客数も復調

日本フランチャイズチェーン協会が調査したコンビニエンスストアの12月売上高は、全店、既存店共に3カ月ぶりに前年実績を上回った。全店(7社・5万5950店、店舗数前年比0.05%増)が9714億円余、前年比3.6%増(前月1.3%減)で、既存店は9325億円余、同3.2%増(同1.7%減)だった。

同協会によると、「クリスマスや年末年始商品が好調だったことに加えて、おにぎり、弁当、ソフトドリンク、酒類、玩具などが好調に推移した」ためと総括している。前月まで伸び悩んでいた来店客数も回復してきた。全店は0.5%増となり、5カ月ぶりのプラス。既存店は0.03%減と5カ月連続マイナスだが、前月の2.0%減からほぼ前年並みまで復調した。

また、平均客単価は全店、既存店共に7カ月連続でプラス。全店が3.1%増の725円超(前月0.2%増、681円超)、既存店が3.2%増の729円超(同0.3%増、685円超)となり、共に720円台まで上昇してきた。商品別(既存店ベース)では、前月に続き非食品(構成比32.9%)が5.3%増(前月3.2%増)となり、健闘。加えて前月がマイナスだった日配食品(同1.7%減)は0.4%増のプラスに転じた。