2024年11月19日

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2021年8月 東京・大阪地区百貨店売上高

6カ月ぶりのマイナス、感染再拡大の影響大きく

東京地区百貨店(12社・24店)の8月売上高は745億円余で、前年比(店舗調整後)は9.1%減となり、6カ月ぶりのマイナスを強いられた。新型コロナ感染症急拡大による外出自粛の強まりや混雑時の入場制限によって、入店客数も10.0%減となり、5カ月ぶりに前年実績を下回った。前々年(19年)比では売上高が35.5%減(前月22.1%減)、入店客数が49.6%減(同37.3%減)となり、再びマイナス幅が広がった。

3カ月移動平均値は、12~2月21.0%減、1~3月12.4%減、2~4月26.5%増、3~5月63.6%増、4~6月51.3%増、5~7月16.3%増、6~8月1.5%増。春以降、コロナ禍の反動増が顕著だったものの、6月以降、前年並みの厳しい環境まで戻った格好だ。

売上高のうち店頭(構成比89.0%)は9.5%減となり、入店客数減が響いた。一方の非店頭は5.6%減となり、前月(19.2%減)に続きマイナスだが、その幅は改善した。

商品別では、主要5品目全てマイナス。身のまわり品、雑貨、食料品が6カ月ぶりのマイナスで、衣料品は再びマイナスに転じた。家庭用品は2カ月連続のマイナス。

ただ食料品と雑貨は小幅なマイナスにとどめた。食料品は生鮮品のみがマイナスで、菓子、惣菜、その他食品は巣ごもり消費が堅調で、前年実績を上回り、6カ月連続でプラスだった。雑貨では美術・宝飾・貴金属が好調で、7カ月連続増。高級時計を中心に高額品が好調で、富裕層消費の増勢が続いている。身のまわり品はマイナスだが、婦人・紳士靴やハンドバッグなどが伸び悩んでいるためで、ラグジュアリーブランドは好調だ。

2桁減だった衣料品は、婦人服(19.1%減)が6カ月ぶりのマイナス。クリアランスの不調やビジネス需要の停滞が影響した。ただ、中旬の気温低下で羽織ものやカーディガンなどニット素材の秋物衣料に一部動きが見られた。

主要5品目の前々年比は衣料品45.9%減(前月34.4%減)、身のまわり品33.3%減(同22.2%減)、雑貨36.9%減(同22.5%減)、家庭用品26.9%減(同21.8%減)、食料品22.1%減(同7.4%減)となっており、いずれも前月よりマイナス幅が広がっている。