2021年5月 東京・大阪地区百貨店売上高
前々年比では前月より厳しく、売上高、入店客数とも半減
東京地区百貨店(12社・24店)の5月売上高は618億円余で、前年比(店舗調整後)は77.7%増となり、前月(186.2%増)よりも伸長率は下がったものの、3カ月連続プラス。入店客数は113.0%増となり、先月(251.6%増)に続き大幅な回復を見せた。前年の新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う臨時休業や時短営業の反動増が顕著に表われた。この要因を除く前々年(19年)比の実質伸長率では売上高が49.5%減、入店客数が57.7%減となり、前月(31.5%減、入店客数46.0%減)を上回る厳しさが続いた。
3カ月移動平均値は、9~11月20.5%減、10~12月13.7%減、11~1月21.7%減、12~2月21.0%減、1~3月12.4%減、2~4月26.5%増、3~5月63.6%増。コロナ禍の反動増が表れる2巡目に入ってきたものの、前々年比の実質では厳しい状況が続いている。
売上高のうち店頭(構成比84.8%)は132.0%増となり、前月(335.0%増)に続く大幅増。一方の非店頭は22.9%減となり、前月(26.4%減)とほぼ同水準のマイナス。
商品別では主要5品目が全て3カ月連続増だが、ばらつきが見られた。身のまわり品では靴やバッグ、アクセサリーが低調だった半面、雑貨では高級時計などの富裕層消費が旺盛だった。美術・宝飾・貴金属は4カ月連続プラス。家庭用品は、前年の巣ごもり需要が高伸した反動が表れひと桁台の伸長率にとどまったが、調理家電や特選洋食器がギフト需要も加わり好調さを持続しており、家電は6カ月連続増。食料品では菓子の和洋生菓子が好調で、手土産需要が復調の兆しを見せたという。
しかしながら前々年比では衣料品の63.4%減をはじめ、身のまわり品60.0%減、雑貨52.9%減、家庭用品32.4%減、食料品21.8%減というマイナス幅だ。衣料品の中で婦人服が65.4%減、紳士服が64.8%減、雑貨の中で化粧品が56.1%減、その他雑貨が55.5%減となっており、半減以下の情勢が続く品目もある。