京王百貨店、聖蹟桜ヶ丘店を改装オープン コスメや婦人服を対象
京王百貨店は、今年1月から段階的に実施してきた聖蹟桜ヶ丘店の全館改装を4月15日に完了し、グランドオープンした。今改装では、40~50代の女性をメインターゲットに、都内初出店となるコスメブランド新業態の導入など、好調領域の「美」や「家ナカ」カテゴリーを中心に18ブランドを新規に導入した。全館の約6割を一新、2022年ごろに予定されるエリア再開発を見据え、新規顧客獲得とコロナ禍で高まる地元消費の固定化を目指す。同店の大規模改装は5年ぶり。
2階には5ブランドを集積し、ブランドの垣根を超えて比較検討しやすいエスティー ローダー グループのセミセルフ型ショップ「ビューティセレクション」が都内初出店する。美容部員に相談しながら購入するスタイルの百貨店の化粧品売場ならではのサービスと、コロナ禍で加速する一人で気軽に選びたいという需要の両方に応える。取り扱いブランドは「トム フォード ビューティ」、「マック」、「ボビイ ブラウン」、「エスティ ローダー」、「クリニーク」。
同じく2階で4月1日にオープンした「ヒナタbyコスメクリニック」ではホームケアアイテムを集積。ヘアケアの「ジョンマスターオーガニック」、「ダヴィネス」、スキンケアの「アンプルール」、「ハクスリー」、ボディケアの「ボーテ デュ サエ」を取り扱う。「暮らしマルシェ」は人気の高い北欧テイストの雑貨を中心に約100種類をそろえる自主編集コーナー。ムーミンなどのキャラクター雑貨や、食器、インテリア雑貨など暮らしを彩るアイテムを提案する。
3~5階の婦人服フロアにも手を入れた。3階にはファッションとインテリア雑貨などをトータル提案する新規ショップ「ヴォヤージュ ホーム」を導入する。また4階の「クロスプラス」は婦人アパレルブランドの一部を3~4ブランドずつ集積する複合型ショップへ転換。非アパレル領域の拡大に伴う衣料品展開シェアの見直しを図りつつ、ブランド数は維持した。各ブランドの主力商品の展開維持やブランドを超えて比較検討しやすくすることにより、顧客の利便性向上を図った。
7階にはシャワー効果を期待し、オフプライスショップ「Colorsu(カラス)」を導入。婦人服を中心に、タオルなどの家庭用品、生活雑貨など幅広いアイテムを手ごろな価格で揃え、上層階への集客効果や、隣接する催場との買い回り効果を狙う。
駅に直結し、A・B・C 館からなる「京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター」の中で、京王百貨店聖蹟桜ヶ丘店は、B館の多くを占めるキーテナントの1つだ。地域の顧客のニーズと百貨店に求められる品質を意識した品揃えに取り組み、多摩ニュータウンの住宅地が広がる周辺地域から支持を得ている。コロナ禍では地元消費の傾向が高まり、生活必需品の「食」を中心に売上が堅調に推移している。